上写真=近藤友喜が横浜FMの一員としてJ1初ゴールを決めた(写真◎J.LEAGUE)
■2026年11月1日 J1第13節(観衆40,738人/@日産ス)
横浜FM 4-2 川崎F
得点:(横)遠野大弥、近藤友喜、谷村海那、ジェイソン・キニョーネス
(川)フィリップ・ウレモヴィッチ、大関友翔
「自分の中で葛藤もあって」
近藤友喜に突然、出番が巡ってきた。ジョルディ・クルークスが左もも裏を痛めてピッチを離れ、代わりに入ったのがまだ8分のこと。
アップもままならない状況だったが、即、チャンスを作り出した。右から得意のドリブルでカットイン、縦に差し込んだパスが相手に当たってCKになった。その右CKのこぼれ球を遠野大弥がたたいて、12分の先制ゴールになった。
「緊急で試合に出たので大事にいく気持ちもあったんですけど、よりアグレッシブにゴールに向かう姿勢は見せていきたいと思っていたので、ファーストプレーでああやってうまくいったことが、その後のプレーにもつながってるかな」
その言葉通り、今度は自ら決めてみせる。
28分、中盤で山根陸が引っ掛けたボールを中央で受けて、ペナルティーエリアの手前、ゴールまで20メートルほどの位置から思い切りの良いミドルシュート。ゴール左下にきれいに吸い込まれて追加点になった。これが、横浜FMの一員としてリーグ戦で決めた初めてのゴールになった(J1百年構想リーグを除く)。
「あのエリアでボールを受けるのは(スティーブ・コリカ)監督がウイングに求めている部分なので、まずはそのポジションをしっかり取れたことがよかったと思います。ボールを止めたときにすごくスペースが空いてるように感じたので、思い切って足を振った結果がいい方向にいったのでよかった」
2つの「よかった」が形になった。
さらにもうひと仕事。1点を返されたあとの41分、右サイドのスローインを山根に投げて戻してもらい、もう一度、右外から内側の小さなスペースにためらわずにパスをねじ込んだ。受けた山根が抜け出してクロス、ファーで宮市亮がヘッドで折り返して谷村海那が頭で押し込み、6試合ぶりのゴールが生まれた。
「陸や大弥くんがいいポジションを取ってくれるので、僕の判断でペナルティーエリアの中にどんどん差し込めるシーンは多いと思う。いい判断ができてきていると思います」
外でチャンスを作り、中で仕留めた。この使い分けがクリアになってきたという。近藤と言えばサイドから切れのあるドリブルで突破して相手の守備ラインを壊していくイメージが強いが、そこに加えて中央で何ができるかを求められ、結果を出した。
「内側に入らなければいけないところと、外にいたいという部分で、自分の中で葛藤もあって、その悩みがプレーの選択だったり、ボールが来たときの判断にもちょっと悪い影響が出ていたと感じていました。でもここ2試合(10月28日のルヴァンカップ4回戦サンフレッチェ広島戦とこの川崎F戦)は頭をフレッシュにできていて、それがいい方向につながってると思います」
この試合では遠野がゴールで本格的な復調を示し、谷村が久々のゴールで再浮上のきっかけをつかみ、そして近藤も悩みをクリアにすることができた。首位のFC東京と9ポイント差の8位と、リーグのおよそ3分の1を消化した時点で、チームも十分に上位に駆け上がることのできる場所にいる。多くのポジティブな要素を手に入れた勝利になった。
だが近藤は、まだ自分に物足りなさを感じている。
「もっとパフォーマンスの安定感というか、波のない選手になっていかないといけないと感じています。メンタルなのか準備の部分なのか、いろいろな要素がありますけど、もう1回しっかり振り返って、波のない選手になっていけたらいい」
次のファジアーノ岡山戦が、その試金石になる。