柏レイソルがJ1リーグに優勝した2011年シーズン以来の開幕3連勝を飾った。その原動力となっているのが、負傷から復帰した熊坂光希と中川敦瑛のボランチコンビだ。彼らの存在がリカルド・ロドリゲス監督の求めるスタイルの核になっている。

上写真=ケガから復帰し、ピッチで大きな存在感を示している熊坂光希(写真◎J.LEAGUE)

一時は長崎に逆転許すも後半3得点!

 柏レイソルが3連勝の好スタートを切った。水戸ホーリーホックに2-1、東京ヴェルディに3-1と連勝して迎えたホームでのV・ファーレン長崎戦。前半は早々に垣田裕暉が先制に成功した。だが、その後のチャンスは決め切れず、後半には長崎の反撃に遭って、11分(通算56分)までに2失点。一時は逆転された。

 それでも、柏はそこから持ち味を発揮する。後半から出場した渡井理己のクロスを小泉佳穂がヘッドで決めて追いつくと、77分には中川敦瑛のスルーパスから狭い局面を抜け出した瀬川祐輔が決めて逆転。そして83分には右サイドを破った久保藤次郎のクロスに弓場堅真が合わせて4-2で逆転勝利を挙げた。

 J1を制した2011年以来の好スタートとなった。後半立ち上がりに流れの悪い時間こそあったものの、試合のほとんどでボールを支配してサイドからも中央を破ってもチャンスを作ってみせた。押し込みながら決定力を欠き、相手に少ないチャンスを決められて勝ち点を失う悪もこの日は見られず。悪癖を乗り越えたことを印象づけた。

 中でも光っていたのが昨季、右膝前十字靱帯断裂の重傷を負ってシーズン後半を棒に振った熊坂光希だ。中盤で中川とダブルボランチを組み、ボールを落ち着かせて的確な配球を見せた。大きな展開で攻撃に変化を加えてもいる。また、守備でも確実な読みでボールを奪い、強いフィジカルを生かしたデュエルと熊坂不在の中盤に足りなかった空中戦での強さも発揮して勝利に貢献した。

 リカルド・ロドリゲス監督も「熊坂の復帰は大きく、チームへの貢献度は高い。ピッチでの存在感は際立っており、チームのパフォーマンスを上げてくれた」と絶賛。「ただし、まだ改善の余地はある、攻守にわたってもっとできる選手だから」とさらにそのポテンシャルに期待した。

 185センチ、80キロの体格で運動量も豊富だ。加えて技術も高い25歳は、昨年のE-1選手権で日本代表に選ばれている。その能力は各方面から認められる存在だったが、不幸にもその日本代表の活動中に負傷してしまった。ただ、リカルド監督の言葉通りまだ「完全」にではないにしろピッチで輝けるまでに復活を果たした。今後、アジアチャンピオンズリーグ・エリート(ACLE)も戦う柏にとって何より大きな「補強」だろう。

 昨季の柏は熊坂と原川力のボランチコンビでスタートし、10試合ほど戦ったところで原川が負傷して山田雄士が台頭。熊坂とのコンビを組んだが、また10試合ほどで今度は熊坂が離脱した。ここで本来、攻撃的なポジションを務めていた中川が抜擢された。中川はボランチとしても適性を示し、終盤まで山田、中川のコンビが続いた。しかし山田も負傷してシーズン途中に徳島から加入した小西雄大が中川とコンビを組んでシーズンを2位で終えた。

 どのコンビもリカルドのサッカーを表現するのにふさわしいプレーを見せて好成績につながった。ただし百年構想リーグでは中川、小西でスタートしたものの、今度は小西が負傷、戸嶋祥郎がプレーしたり、原川、小西が復帰して中川とコンビを組んだが、このリーグでは成績につながらなかった。同リーグでの不調がすべてボランチのせいと言うわけではないものの、柏のスタイルが相手に研究されたこともあって、うまく機能しなかった。そして最終節で熊坂が1年ぶりに復帰を果たしたのだった。