上写真=明本考浩が積極的にゴールに迫り、新しい武器としての存在感をアピールした(写真◎J.LEAGUE)
■2026年8月8日(土) 明治安田J1第1節(観衆36,336人@味スタ)
FC東京 1-5 町田
得点:(F)マルセロ・ヒアン
(町)ミッチェル・デューク、明本考浩、相馬勇紀、テテ・イェンギ、岡村大八
「のびのびとプレーさせてもらっています」
FC町田ゼルビアの3-4-2-1の布陣で、開幕戦から左サイドが輝いた。
3バックの左の中山雄太、左アウトサイドの明本考浩、左シャドーの相馬勇紀である。
開始早々にFC東京に先制されたが、27分にミッチェル・デュークが同点にした。
これは、中山、明本、相馬と内側から順にサイドに回していって、ポケットに出ていった中山に相馬がパス、受けた中山は鮮やかな切り返しで相手を滑らせておいて、軽やかなループクロスを送ってデュークが得意とするヘディングシュートを呼び込んだ。
38分に相手が退場者を出してさらに余裕ができると、前半終了間際に明本の移籍後初ゴールで逆転。中山がミドルパスを前線のテテ・イェンギに届け、相手がもたつくところで最後に明本が蹴り込んだ。
後半開始間もない51分には、相馬が自ら倒されたFKを直接決めて、2点差に。
続いて65分にはテテ・イェンギが決めたのだが、これがお見事。自陣から中山、明本、中山、相馬、前寛之、ネタ・ラヴィ、前と左サイドで素早くボールを動かす間に、中山がトップ下のようなポジションに入って受けてから、優しいスルーパス、これをイェンギが左足で逆サイドに蹴り込んだ。
そして締めは80分の岡村大八のゴール。右CKを相馬が送ってニアで明本がヘッドで流し、こぼれたところを岡村が蹴り込んだものだ。
というわけで、5つのゴールすべてに3人が大きく関与している。
「1点目は今年掲げている、センターバックのサイドの選手の攻撃参加で、僕とアキ(明本)と雄太がローテーションしながらいい形を作れて、理想通りで再現性もある得点かなと」
相馬はそう自画自賛する。中でも、今季から加わった明本との関係は「やりやすいです」と即答だ。
「個の破壊力もあるし、ある程度、任せている部分もある。個ではがせるので任せるところは任せて、僕も点を多く取るためになるべくボックス内に入っていこうという意識で今年はやっています。本当にいいローテーションができていたので良かった」
その明本は「押し込むだけだった」と自らの移籍後初ゴールを振り返りながら、快適なゲームを楽しんだようだ。
「本当にやりやすい選手たちが後ろにもいますし、前にもいるので、僕自身ものびのびとプレーさせてもらっています。そこは(中山と相馬の)2人にも感謝したいですね。連係を合わせていけたらもっと脅威になる」
相馬は中山についても絶賛だ。
「攻撃参加のタイミングも抜群で、自分でずっと考えながらゲームメイクしてくれて、本当に素晴らしい選手」
その中山は「ワールドカップが終わって、代表に入っていきたい」と宣言して、さらに先を見据える。
「今日みたいなシーンが1試合の中でミニマムでも数回出るのが僕の中では最低ライン。ゴールに直結する、あるいはゴールに直結する前に関われるシーンを増やせれば」
というわけで、同点ゴールのループクロスも、4点目の優しいスルーパスも「最低限」なのだった。
相馬の言うように「相手が10人だったから」というアドバンテージは、確かにあった。それでも、中山が最終ラインから機を見て前線にポジションを移して決定的な仕事をしたり、相馬と明本が内側と外側の立ち位置を入れ替えながら押し込んだりと、相手を惑わすプレーの連続こそがこのトリオのメリットだと証明した。
その持ち味を十分に発揮した事実は、今後の試合への大きな自信になるだろう。