8月開始、翌年6月終了にカレンダーを変更したJリーグの新シーズンがいよいよスタートする。オフに監督が交代したガンバ大阪は8月7日、ホームに浦和レッズを迎え、開幕戦を戦う(19時30分開始/@パナスタ)。キャプテンを務める中谷進之介に話を聞いた。

明るく、元気にチームをけん引する

新シーズンも最終ラインの要として期待される(写真◎J.LEAGUE)

 個人の成長への欲も尽きない。

 思えば、特別シーズンはそのほとんどの試合で三浦弦太とコンビを組んできた中谷だが、今シーズンはケガで離脱していた福岡将太、佐々木翔悟も戦列に復帰。センターバック争いはより熾烈を極めている。そこに打ち勝っていく自分をどう描いているのか。

「右センターバック(CB)でやるのか、左CBでやるのかまだわからないけど、左なら、将太や翔悟の方がクオリティはあると考えても、自分のセンターバックとしての総合力はより高めなくちゃいけないと思っています。そういう意味ではこの半年、左CBを預かることで意識してきた、
左足の精度や左サイドでいかにボールを扱えるかといった幅は引き続き追求していきたい。それプラス、やっぱり大事なのは結果というか。自分のパフォーマンスが失点数や得点数にどう貢献できているのかを含め、チームの結果を意識しながら戦っていきたいです」

 チームとしての目標は、タイトルだ。ガンバの過去の歴史を振り返っても「継続してタイトルを積み上げてこそ本当の意味でチームは強くなれるし、自信も膨らんでいく」と中谷はいう。

「これだけ暑い中でのシーズン開幕で、いきなりすべてを100パーセントに持っていくのは難しいからこそ、チームとしてのピークをシーズンのどこに置くのかはタイトルを目指す上ですごく大事になると思っています。最初にピークがきても後がガクンと下がっちゃうかも知れないし、スタートは少し尻込みしても右肩上がりにピークを見出せることもあるかもしれない。ずっとピークが来ないままシーズンが進んでしまったらそれこそ残留争いに巻き込まれてしまいますしね。そこはチームによっていろんな考え方はあると思いますけど、日程や流れ、チームの性質みたいなものを考慮しながらピークをどこに合わせるのか。それが明確なら、結果にとらわれすぎずに落ち着いてチームを構築していけるのかな、と。

 ただし、ガンバはJリーグの開幕戦直後にACLEのプレーオフが控えている。だから、そこはピーク云々に関係なく、死ぬ気で勝ち取らなければいけないと思っています」

 特に、クラブが14年以来、長らく遠ざかっているJリーグとACLEのタイトルには強い思いを持っている。彼の言葉にもある通り、後者はまず8月11日のプレーオフ・江原FC戦に勝利するのが大前提になるが、それらを獲りにいくことで得られる刺激が、30代に突入した自身のキャリアをより強く進めるものになる。

「キャリアが長くなるほど、外部的な刺激がすごく大事になってくる。どれだけ自分の中で新しいものを作り出そうとしても、自分の範囲内を超えていかないことが増えるから。だからこそ、ACL2決勝のアルナスルFC戦のように、訳がわからないくらい強い相手と対峙して抜かれてしまう自分を実感したり、抑え切る喜びをたくさん味わいたい。それによってサッカー選手としての喜びを得ることはもちろん、もっと大きな括りの人生の楽しみとか刺激みたいなものを自分の進化に繋げたいと思っています。

あとはなんといってもJリーグタイトル。この2つを現実的に考えられるシーズンになれば、必然的にカップ戦にも勢いが出るはずだし、チームとしてももう1ランク上の強さを備えられると思っています」

 目標を実現するために、今シーズンも中谷は「明るく、元気に」チームを牽引するという。ともすれば、楽観的にも映る言葉だが、彼が口にするとそれこそがガンバの強さに繋がる大事な要素に思えてくるから不思議だ。

取材・文◎高村美砂[フリーランスライター]