5月6日の明治安田J1百年構想リーグ第15節で、東京ヴェルディは川崎フロンターレに0-1で敗れた。前節から先発を7人入れ替えるターンオーバーで臨んだが、2試合目の先発となった田邉秀斗は今季、川崎Fから東京Vに移籍して初めての古巣のホームスタジアムでのゲーム。しかし、悔しさばかりが残ることになった。

上写真=田邉秀斗は今季2度目の先発で初めてフル出場した(写真◎J.LEAGUE)

■2026年5月6日 J1百年構想リーグ第15節(観衆:21,743人@U等々力)
川崎F 1-0 東京V
得点:(川)脇坂泰斗

「ちょっとブーイングされると思っていた」

「もう、そこに尽きます」

 田邉秀斗は複雑な表情をしていた。今季2度目の先発出場を果たし、移籍してから初めて帰ってきた古巣のホームスタジアムでのゲーム。でも、負けた。

「どうせなら勝ちたかったです。うん、もうそこに尽きます。どんな形であれ、勝ちたかった。もうそれだけです」

 期限付き移籍していた時期も含めて、5年を過ごした川崎フロンターレから覚悟の移籍。なかなか出番はなかったが、等々力で緑のユニフォームをまとって戦う、ということの意味を感じていた。

 だが、73分に脇坂泰斗に決められてしまう。

「相手のチャンスはあれぐらいだったと思うんです。自分たちの方がコーナーキックやロングスローで押し込んでいてて、ゴールに近くなるようなプレーが多かったと思います」

 田邉は左のアウトサイドとしてプレーし、ロングスローも担当した。まさにセットプレーで相手ゴールに迫る役割を果たしていた。だが、ゴールは生まれなかった。逆に川崎Fはこちらのスローインをカットしたところから一気にゴールを奪った。

 こちらがリズムをつかんだ時間帯にもかかわらず、一発で決めてくる川崎Fの怖さ。それを敵の立場で感じることになった。

「ちょっとブーイングされると思っていた」という川崎Fのサポーターからは温かい拍手と激励を受けたが、新しい環境に身を投じて成長を見せるのに必要なのは勝つことだけだと思っていた。

「高校(静岡学園高)から含めてですけど、自分のやってきたサッカーと真逆に近いようなこと、自分がやってこなかったところをヴェルディの基準にまで上げられれば、より怖い選手になれると言ってもらっています。いま、いろいろもがいて頑張ってます」

 いまできること、できないことを隠すことなく古巣を相手に見せることができた。それは、自分の現在地を把握するのに役立つだろう。

「正直、自分はまだまだ足りないと思う。もっともっと鍛えてもらって、自分でも意識を変えてやっていかなければ」