上写真=後半から登場し、追撃となるゴールを決めた浅野雄也(写真◎J.LEAGUE)
追撃のムードを高める貴重なゴール
後半からピッチに立った。2点のビハインドを背負ったチームを救う。役割は明白だった。
浅野がその責務を果たしたのは83分。木村勇大のクロスをゴールへと結びつけた。
左サイドで高嶺朋樹が送った縦パスが相手に阻まれ、中盤でこぼれ球の争奪戦が発生。杉浦駿吾が素早く反応してボールを突くと、拾った木村がゴール前にふわりと浮かすクロスを送った。
その落下点に走り込んだのが浅野だった。相手の背後のスペースに回り込み、滞空時間の長いジャンプでボールを捉える。GKの位置を見ながらヘディングで逆サイドへシュートを放つと、ボールは福岡のGK藤田和輝が伸ばした手の先へ収まった。
「勇大のパスがめちゃくちゃ良かった。最初はパスがデカすぎる(長すぎる)だろうと思ったんですけど、ピッタリでした(笑)」
浅野の技ありの一撃だった。この1点に名古屋は勇気づけられ、大声援をバックに攻撃の圧力を増していく。そしてアディショナルタイムの90+3分、木村の同点ゴールが生まれた。
「前半はなかなか自分たちのサッカーができていなかったので、後半から出て、自分は背後の抜け出しとか、そういう動きを増やそうと思いました。ゴールに向かうパスや動きは相手も嫌がるし、(それまで)自分たちがやりたいサッカーじゃないなと。僕が出たらまずはゴールを意識して、というのを考えていた」
自らの狙いをピッチで結実させ、ネットを揺らした浅野。チームはPK戦を5−4で制し、逆転勝利を収めた。これで勝ち点18を積み上げ、WESTの3位に浮上。内容には課題が見られたものの、クラブにとって重要なパロマ瑞穂スタジアムのこけら落としとなる一戦で、2点差を追いつき勝利を手にした意味は大きい。
「真っ赤なスタジアムを見て、(サポーターが)すごく盛り上げてくれたと思いますし、本当にホームという感じでした」
浅野も勝利の価値を口にした。それと同時に「90分で勝ちきること」の必要性にも言及。次戦、同スタジアムで試合を行うのは今月29日のファジアーノ岡山戦。チームが進む道の正当性と成長を示すために、次はPK戦による勝ち点2ではなく、90分勝利による勝ち点3の獲得を目指す。