4月12日の明治安田J1百年構想リーグ第10節で、川崎フロンターレは攻めながらも得点に結びつかず、0-2で今季4度目の90分での黒星を喫した。しかし、高卒ルーキーの長璃喜がはつらつデビュー。自慢のドリブルで大きな可能性を見せた。

上写真=長璃喜がデビュー戦で生き生きとプレーした(写真◎J.LEAGUE)

■2026年4月12日 J1百年構想リーグ第10節(観衆:23,094人@U等々力)
川崎F 0-2 鹿島
得点:(鹿)鈴木優磨、レオ・セアラ

緊張は「めちゃくちゃしました」

「終わったばかりなのであんまり実感はないんですけど、見ていたまんま、でした」

 昌平高校から今季、川崎フロンターレに加わったルーキー、長璃喜がプロデビューだ。ファンの視線も歓声もすべて、ここまで想像していたプロの世界とまったく同じ景色の中で駆け回った。

 試合のあとは鈴なりになる報道陣を前にして、少しはにかみむ姿が初々しかった。しかし65分にピッチに飛び出していって堂々と渡り合った。「めちゃめちゃ緊張していました」という言葉がウソのようだ。

「先週の練習試合で調子がよかったので、(メンバー入りは)あるかなとはちょっと思っていました」と予感はあった。恥骨結合炎で出遅れていたが、ほかに負傷者も相次いでいるこのタイミングでチャンスは巡ってきた。

 仲間からは「思い切ってやれ、楽しんでこい」と背中を押された。そして、その通りに特徴を発揮した。左サイドハーフに入り、鋭いステップと小刻みなボールタッチを組み合わせる自慢のドリブルで向かっていった。

「高い位置で持ったときのドリブルだったりチャンスメークは、決定的な場面はなかったですけど、少しは出せたかな」

 ハイライトは72分のカットインからのフィニッシュだろう。素早く、小気味良く潜り込んで放った右足のシュート。

「1本仕掛けたいと思っていたので、高い位置でもらって、あまり考えすぎずやりました」

 プロとして初めて相見えるのが、昨季の王者であり、今季もEASTで首位を走る強豪。それでも物おじせずに果敢に仕掛け、「前向きに持ったときのドリブルや、相手をはがすところは通用しなくはなかった」という手応えを得た。その感触は、プロで生きていく上での大きな宝物になるだろう。

 思ったより早かったというデビューの自己評価は「60点」。しかし、苦々しい敗戦を喫したチームにあって、一筋の光にもなった。

「縦にも中にもいけるドリブラーになりたい」

 等々力で今季最多となる2万3094人の観衆の目の前で、その思いをぶつけてみせた。