上写真=アシストのマルセロ・ヒアンとゴールを喜ぶ。佐藤恵允のランの質の成長が頼もしい(写真◎J.LEAGUE)
■2026年4月11日 J1百年構想リーグ第10節(観衆:23,570人@日産ス)
横浜FM 1-3 FC東京
得点:(横)加藤 蓮
(F)佐藤恵允、マルセロ・ヒアン、オウンゴール
「周りが見えている」
前半も間もなく終わる45分、佐藤恵允は自陣から相手ゴールに向かって猛烈にスプリントをかけた。
自陣右でボールがこぼれ、佐藤龍之介が短くマルセロ・ヒアンへ。そこから快足を飛ばしてドリブルで運んでいく背番号9にダッシュでついていく。
「ヒアンが1対1になって、これはオレが目の前の選手に走り勝ったら絶対にチャンスになると思ったので、もう本当にがむしゃらに走ってゴール前まで入っていきました」
迷いはなく、冷静だった。
「ヒアンのドリブルのコースがサイドの方で、大外から(遠藤)渓太くんも走ってきて、相手もそれにつられていたので、中のスペースががら空きだった。それが見えていて、オレを使わなくてもヒアンの選択肢が増えればいいかなと思いながら走り込みました。その瞬間に目が合って、パスが来るな、と」
ペナルティーエリアに入ったところで、マルセロ・ヒアンからプレゼントパスが来た。
「トップスピードの中で結構、難しかったんですけど、トラップが流れちゃって、最初は右で打とうとしたんですけど、左にうまく切り替えて流し込めました」
右足で止めたとき、GK朴一圭が飛び出してきた。そのほんの直前に左足でゴールへと送り込んだ。貴重な先制ゴールは、マルセロ・ヒアンと並んでチームトップタイの3点目。
前半は苦しんだ。横浜F・マリノスにボールを持たれて後手に回った。攻めてもコンビネーションがかみ合わない。「点を取った記憶がない。それぐらいきつかった」。24.5度という気温が体にダメージを与えた。そんな中での先制ゴールは「本当に大きかった」と胸を張る。
「どこに入っていけばゴールを取れるか」という感覚が身についてきたことを示す一発だという。その根底にあるのは、「走る」ことの質の高さ。9節までで、総スプリント数が208、ミドルサードでのスプリント回数が75で、いずれもリーグトップだ。ただ、大事なのは回数だけではない。
「トップスピードで走ってる中でも、走るコースは考えながら動けているのかなと思います。ここにスペースは空くだろう、とか、こう入ったらチャンスになるなという考えがあるので、ただ走るだけじゃなくて、考えながら走れていると思います」
一瞬の思考はどうしてひらめくのか。
「周りが見えているのが大きいと思います。余裕があるから」
そして、その余裕を生み出す秘密を、シンプルに、でも力強く明かした。
「自信です、自信」