4月4日の明治安田J1百年構想リーグ第9節で、ジェフユナイテッド千葉が東京ヴェルディとゴールの奪い合いの末に3-2で勝利をもぎ取った。前半は完璧に近く、今季初スタメンの安井拓也は先制点につながるPKを獲得した。しかしそれが「消化不良」だというのだが…。

上写真=安井拓也は今季初先発でゴールに直結する活躍で印象づけた(写真◎J.LEAGUE)

■2026年4月4日 J1百年構想リーグ第9節(観衆:13,024人@フクアリ)
千葉 3-2 東京V
得点:(千)呉屋大翔2、日高 大
   (東)福田湧矢、吉田泰授

「やりきる強さとうまさを」

 前半のうちに2点を先行しながら、後半に逆襲されて追いつかれ、なおも押し込まれながら終盤になんとか日高大が決勝点。ジェフユナイテッド千葉の今季2勝目は苦しみながらもぎ取った。

 前半は完璧に近く、そこで見せた安井拓也のアクションは効果的だった。

 明示的なのは、開始わずか10分のシーン。右サイドでボールを持つと、短い縦パスをイサカ・ゼインにつけた。そのすぐ右脇を駆け抜けるタイミングに合わせてリターンパスをもらうと、一気に抜け出してペナルティーエリアに進入した。マークに付いていた森田晃樹は、ここでたまらず足を出し、安井は倒されてPKを獲得した。

 呉屋大翔のPKはGK長沢祐弥に止められたが、跳ね返ってきたボールを押し込んで先制に成功する。

 その突破がチームをリズムに乗せる先制点の「アシスト」になったが、安井自身は喜び半分悔しさ半分である。

「手応えというか、ゴールやアシストという結果に結びつけばもっと手応えを感じることになったので、自分には消化不良。最後までやりきれなかったし、クオリティーも回数もそうだし、出ていったあとの戻りのところだったり、課題はありますから」

 つまりそのシーンは、森田の足にかからずに一気に抜け出して自らフィニッシュするべきだった、ということだ。でも、だからこそPKを手に入れることができたとも言えて、理想を追い求めなければこうしたラッキーも転がってこない。

「本来であればそれ(自ら抜け出してゴール)が一番したかったこと。結果として点にはなったんで、まあいいんですけどね。でも、あそこは自分の強みをより出せる場面というか、そこを求めてこその自分だと思うので、やりきる強さとうまさを身につけていきたい」

 今季初スタメンだっただけに、PK奪取のシーンのあとも欲はどんどん出てくる。左ボランチのポジションから一気に最前線までをも追い越していくスタイルが攻撃を活性化させて、好リズムが続く前半の大きな力になった。

「どんどん入っていくのは自分の良さでもあるし、いままでにはあまりなかったというか、どんどん自分は仕掛けていきたいと思う。もう次は目に見える結果を残せるように準備したい」

 36分にビッグチャンスがあった。呉屋大翔のパスで右サイドを抜け出したイサカ・ゼインがマイナスに折り返すと、合わせた安井が右足を振り抜いた。DFに当たってホップしたボールがゴールに向かっていったが、無情にも左ポストに防がれてしまった。

 ゴールに迫りゆくこのシーンも、安井の真骨頂。素早いカウンターに遅れることなくついていって、スペースが空くのを待ってゴール前に入っていく賢さ。

「フォワードや逆サイドの選手が押し込んでくれるから、マイナスのところが空くので、決して自分だけの力ではないです。でも、点を取るのはやっぱりゴール前。そこにどれだけ入っていくかが大事だと思う。ゴールを取れる場所にいることが本当に大事」

 J1に昇格し、折り返しの9試合目でこの形を無理なく自然に、かつ確実に打ち出せるようになったのは、チームの成長の証でもある。

「それがなおさら、中盤から出てくれば相手にとっては難しいし、だいたい前向きでプレーできることになるので、よりチャンスは広がる。今度はそこで仕留められるようにしていきたい」

 昨季途中からFC今治への期限付き移籍を経験。復帰して強い思いで臨んだ今季は負傷もあって出遅れたが、キックオフから70分までのプレーで、いよいよ思う存分、暴れる準備が整ったことを印象づけた。