上写真=柴崎岳が輝かしいプレーで完勝の礎になった(写真◎J.LEAGUE)
■2026年3月18日 J1百年構想リーグ第7節(観衆:42,218人@MUFG国立)
町田 0-3 鹿島
得点:(鹿)鈴木優磨、三竿健斗、チャヴリッチ
「もっともっと高いところを」
鹿島アントラーズがFC町田ゼルビアを3-0で下した完勝劇。開始5分の先制ゴールで幕開けだ。
松村優太の右からの折り返しを、逆から入り込んできた鈴木優磨が仕留めた一発。そこに至るスイッチを入れたのは、柴崎岳のセンスだった。
最終ラインで持った植田直通が顔を上げると、その目の前、町田の選手が誰も飛び込めない場所に立ち止まってパスコースを確保した。ボールを引き取ると、今度は下がってきたレオ・セアラにすぐさま預けた。そこから松村へスルーパス、と続くのだが、最終ラインから引き出して前線に無駄なく委ねる、というボランチとして忠実で正確なリンクマンのアクションがゴールを導いた。
輝きは守備でも。町田が猛攻を仕掛けてきた62分、クロスからのヘッドの折り返しがゴールに向かってきたところで、ゴールライン上に戻ってかき出したのも、この背番号10だった。
ほかにもいくつもある。ビルドアップのシーンにしろ、守備へのトランジションの局面にしろ、あるいは町田が奪いにくるパワーを真綿で吸収するかのように時間を作る場面にしろ、すべてが柴崎の意のままに進んだように見えるほどだった。
「自分が就任してからも一番いい状態でやっているんじゃないかな」
鬼木達監督も相好を崩す。
昨季、鹿島の監督に就任し、苦しみながらもチャンピオンに仕立て上げたが、どちらかといえば「高い強度の」という枕詞が付きものだった。それがこの日は「強さ」だけではなく、先制ゴールのシーンのようなチームとしての「うまさ」を織り交ぜて勝ち切るチームになってきた。
「少しずつですけど、うまくなっているんですよ、みんなが」と鬼木監督も喜ぶが、その筆頭が柴崎だろう。
「鹿島に帰ってきて、優勝させなきゃいけないという強い意志があって、かなり背負っていたものが大きいんだなと思いました。今シーズンの最初に話した中で、去年の優勝にはうれしさと悔しさがあると表現をしてましたけど、またそこから少し解放されてというか、自分に集中してサッカーをまた改めて楽しんでいる。それがいま、すごくいいと思います」
悔しさ、というのは、昨季は19試合と出番が多いとは言えなかったから。だがいまは、鬼木監督から見ても、心身のリラックスぶりが感じられるという。それがプレーに好影響を与えている、とも。
「昨年からずっと自分は強度をチーム全体に求めていて、そこに攻撃の良さも研ぎ澄ましてできていると思います。このまま続けていってほしいと思いますし、いままで以上と言いますか、もっともっと高いところを求めてやれると思います」
強い鹿島が、強くてうまい鹿島に進化して、現在6連勝。無敵の快進撃はどこまで続くだろうか。