2月28日の明治安田J1百年構想リーグ第4節で、柏レイソルがうれしい初勝利。FC東京から2ゴールを奪い、失点0の快勝だった。ここまで3連敗と苦しんだチームを勝利へと導いたのは、瀬川祐輔の追加点。決めたあとに号泣したのは、他界した祖父への思いがあふれたからだった。

上写真=瀬川祐輔が祖父に誓ったゴールを決めて号泣した(写真◎J.LEAGUE)

■2026年2月28日 J1百年構想リーグ第4節(観衆:21,869人@味スタ)
FC東京 0-2 柏
得点:(柏)垣田裕暉、瀬川祐輔

「点を決めることだけを考えて」

「涙が、止まらなかったですね」

 瀬川祐輔がゴールを挙げて、泣いて、泣いて、泣いた。

「個人的なことですけど、今週じいちゃんが亡くなっちゃって、ちゃんとお別れして、直近の試合が今日だったので、ゴールを決めると約束して」

 今月23日に逝去し、試合2日前に葬儀。享年100歳の大往生だったという。

 この日は今季初めてベンチからのスタートになった。1-0でリードした67分、「点を決めることだけを考えて」ピッチに駆け出した。

「プロになるのを報告したとき、最初は心配されましたけど、プロになってからはずっと応援してくれていました。だから絶対決めようって思ってたんで」

 就職が決まっていたにも関わらず、明治大からザスパクサツ群馬への加入を決めたことで、反対はされなかったが心配をかけたという。その祖父との約束は、82分に果たすことができた。

 右サイドをパスワークで崩してから、久保藤次郎の折り返しをダイレクトシュート、ブロックされたがそのこぼれ球に誰よりも早く反応して、左足でゴール左へと流し込んだ。自然と流れる涙を止めようとはしなかった。

「1本目はシュートコースもなくてちょっとダフっちゃって、でもワンタッチで打とうという準備がすべてだったかなと。自分の前に転がってきたときは、2本目だったし、コースに狙って蹴れば入ると思ったし、そのコースはボールが転がってきたときに見えてましたから。ちょっとボテボテでしたけど、スンちゃん(キム・スンギュ)でも取れないならいいコースだったのかなと」

 3連敗を喫した前節の鹿島アントラーズ戦を終えて、リカルド・ロドリゲス監督から求められたのは守備の強度だったという。祖父への思いとともに、その修正に努めた1週間だった。

「3試合スタメンで出て、(3連敗の)責任はベテランとして感じてましたし、何かを変えなければいけない状況で前の選手(攻撃陣)が変わるのはどのチームでもあること。その当人になったことも含めて悔しさをぶつけたいと思っていましたし、チームとしても追加点を取るか取らないかは、今日の試合においては第一だったと思う」

 自らのゴールで、今季初勝利を手にした充実感がこぼれる。

「何歳になってもじいちゃん家に行ったら、ここはこうだ、ここはああだ、って言われて。サッカーやったことないのに(笑)。でも、そういうこともできなくなるっていうこと。改めてですけど、伝えられるときは伝えなきゃないけないと思いましたし、点は取れるときに取っておかないとな、と」

 弔いのゴールを見て、祖父はどんな言葉をかけてくれるだろうか。