明治安田J1百年構想リーグ・WEST第1節が8日、各地で開催された。愛知・豊田スタジアムでは名古屋グランパス対清水エスパルスが対戦。ともに新監督の初陣となったが、試合は後半に木村勇大がネットを揺らした名古屋が1−0で勝利を飾った。

上写真=決勝点をスコアした名古屋の木村勇大(写真◎J.LEAGUE)

■2026年2月8日 J1百年構想リーグ第1節(観衆38,120人/@豊田ス)
名古屋 1−0 清水
得点:(名)木村雄大

ピッチに描かれた対照的なサッカー

 新指揮官が志向するスタイルがピッチに表れた。ホームの名古屋はミハイロ(ミシャ)・ペトロヴィッチ監督が今季から指揮を執る。アウェーに乗り込んだ清水は吉田孝行監督がチームを率いる。標榜するスタイルが対照的な監督のサッカーが、ピッチ上に対照的なコントラストを描いた。

 まずはアウェーに乗り込んだ清水の吉田監督。オ・セフンをターゲットにロングボールを効果的に使い、相手の意識が中央に集中すれば、サイドを攻略してゴールを目指す。その形は、とくに後半開始直後に機能し、名古屋ゴールに迫ってみせた。さらにボールを失った瞬間に、相手のボールホルダーを狩りにいく切り替えの早さも、吉田監督が率いていた昨季までのヴィッセル神戸を彷彿とさせた。

 一方、ホームの名古屋は後方からしっかりパスをつなぎ、ゴールを狙う。その意図は前半から随所で見られた。両ウイングバックが高い位置を取り、1トップ+2シャドーと並んで前線に5トップを形成。3バックの右ストッパー、原輝綺から左ウイングバックの和泉竜司へのサイドチェンジのパスを何度も通し、さらには縦パスを1トップの山岸裕也がフリックして相手守備網を破っていく。アタッキングサードに至るまでの崩しは地上からが基本。連動した動きからゴールをうかがっていった。

 勝負を決める1点が生まれたのは、59分。ミシャ監督自身は「まだまだこれから」と話すものの、らしいスタイルでネットを揺らした。

 センターバックの藤井陽也からの縦パスを山岸がフリックし、右ウイングバックの中山克広が受け取って最終ラインを突破。左シャドーの木村がオフサイドラインを気にしながらドンピシャのタイミングで飛び出し、クロスに左足を合わせてネットを揺らした。「美しいアクション」とミシャ監督も振り返るゴール。まさにチームで求める形だった。

 試合はそのまま1−0で名古屋の勝利。ミシャ監督は次のように試合を総括した。

「テンポもインテンシティも高いゲームで、非常に拮抗したゲームだったと思うんですけど、全体としては非常に選手が前向きに戦ってくれました。もちろんその中で少しボールが流れたり、逃げてしまうような展開もあったし、そういったところは改善しなければいけない。ただ、われわれは何回か、非常に美しいアクションを見せたと思いますし、決定機も作れた。最終的には我々が勝ち点3を取るに値したと思います」

 対する清水の吉田監督は、以下の通り、試合を振り返った。

「守備自体はそんなに悪くはなかったんですけど、やはりゴールを奪うっていう意味ではシュートも少なかったですし、相手のゴールを脅かせてシーンも少なかった。後半、全体の位置をもう少し高く取って、どんどん圧力かけていこうっていうことで、後半に関しては良い入りもできましたし、シュートシーンも増えたと思います。ただ、そんな中での失点があり、結果的に負けたっていうことで、まだまだ自分たちがやらなきゃいけない、完成しなきゃいけないことを整理して、1つ1つ積み上げていかなければいけない」

 開幕節時点で、両チームともにチーム作りの過程にあるのは間違いない。ただ、勝利を手にしたのは、標榜するスタイルをより色濃い形でピッチに描いた名古屋だった。

取材◎佐藤景