明治安田J1百年構想リーグが開幕し、浦和レッズは2月7日に雪が降るフクダ電子アリーナに乗り込んで、ジェフユナイテッド千葉と対戦。今季からキャプテンに就任した渡邊凌磨が、その初陣を2-0の勝利で飾った。

上写真=渡邊凌磨はボランチとトップ下をシームレスにこなした(写真◎J.LEAGUE)

■2026年2月7日 J1第1節(観衆:16,338人@フクアリ)
千葉 0-2 浦和
得点:(浦)松尾佑介、肥田野蓮治

「今日は勝つことが一番大事だった」

 渡邊凌磨が今季、関根貴大から浦和レッズのキャプテンを引き継いだ。左腕に黄色いアームバンドを巻いて、先頭に立ってピッチに登場し、仲間を鼓舞し、最後まで走り回って、そして勝った。

「今日の試合前も僕から一つだけみんなに伝えたかったことは、もうどんなにミスしてもいいから、切り替えだけはしっかりやろうと。そこが生命線だと思うし、失点しても(精神的に)落ちずにやろうねということは、選手だけでミーティングをしたときに話をしました。それが少しでも、いい切り替えにつながっていればいいかなと思ってます」

 新キャプテンの思いは十分に通じただろう。マチェイ・スコルジャ監督がチームに組み込むテーマの一つである高い位置からの追い込みは、押し込んだところ奪われても一瞬で守備に切り替えて取り返すことでチャンスを次々に生み出し、十分に機能していたからだ。

 先制ゴールになった5分のPKも、相手のもたつきを見逃さない松尾佑介がボールに襲いかかったところで得たもの。12分の2点目も守備から素早くボールを回して、渡邊自身が左のスペースに流し込んだパスがスイッチになった。松尾が突き進んでシュート、こぼれ球を肥田野蓮治が押し込んだ。

 その後もチャンスは多かったからこの2ゴールに終わったのは悔やまれるが、「今日は勝つことが一番大事だった」と悲観していない。勝利への過程に手応えを感じたことは大きい。仕込んできたハイプレスだけではなく、ピッチの中で柔軟に守り方を切り替えることができたのも、その一つ。

「途中でマンツーマンに変えたりしたときにもボールは奪えていて、マンツーマンから普通のゾーンに変えたときも、監督判断ではなくて僕たちの判断で変えることができた。それがうまくいったのは良かったかなと。もっともっと、追い方だったり連動はまだまだ必要な部分もありますけど」

 渡邊も相変わらずのユーティリティー性を発揮した。右のボランチでスタートし、もう一つのチームのテーマである、つなぎながら運ぶビルドアップの要になって後ろでリズムを作りながら、ペナルティーエリアに潜り込んで反転シュートを狙うシーンも見せた。

 63分に肥田野蓮治に代わってボランチに柴戸海が入ってくれば、渡邊はトップ下へ、さらに88分にボランチの安居海渡が下がって早川隼平に代わると、また渡邊はボランチに戻った。選手の配置に柔軟性を出せるこのチームの強みは、渡邊がどのポジションでもプレーできるからに他ならない。

「チームのことを考えてるわけじゃなくても、いままでよりもチームのことがものすごい見えてくるようになったのは事実。そのあたりをうまくチームに伝えていければなという思いです」

 攻守を司る魅力的なプレーに、キャプテンという肩書が加わった。感性と責任が織りなす化学反応が楽しみである。