クラブ創設35周年を迎えるガンバ大阪のキーマンたちを取り上げる『集中連載』。第3回は南野遥海と池谷銀姿郎が登場だ。U-15日本代表で初めて顔を合わせて以来、意気投合し、交友を深めてきた。今シーズンはチームメイトとして、ガンバ大阪の青黒のユニフォームをまとう。普段は孤高のストライカー的な雰囲気を漂わせる南野と、ルーキーながら天性の明るさを発揮し、ピッチ内外で新ムードメーカーになりつつある池谷。どことなく対照的にも見える同い年の2人が、意外な共通点も明かしながら『今シーズン』への決意を語った。

ギンは自己紹介で大滑りしていた(笑)

今季の新加入、池谷。キャンプでは日々、アピールを続けていた(写真右/撮影◎佐藤景)

――少しピッチ外の話も聞かせてください。沖縄キャンプ中、サッカー以外の時間はどんな過ごし方をしていますか。

南野 僕は基本一人で、ホテルの部屋から出ません。ずっとサッカーの試合を観ています。

池谷 僕も…基本は一人でいるか、寝ているか。午後がオフになったときとかは(福岡)将太くんとアサイーボールを食べに行ったりもしましたけど、こう見えて一人も好きなんです。

南野 意外な共通点! でもギンみたいに表向きはめちゃめちゃ明るくて、ムードメーカー的なタイプって、スイッチが完全にオフになる『無』の時間があるって聞くしな。それがあるからオンの時間が見出せる、みたいな。

池谷 それ、間違ってないかも。俺も一人になると、めっちゃ無の状態になっているし。遥海はどっちかというとオンもオフもあまり変わらないタイプというか、うるさいのは点を取ったときくらいだけど。

南野 基本、一人が好きというか、群れるのが好きじゃないんよね。オフシーズンの海外旅行も一人旅だったし。ロンドンに二人くらい知り合いがいて、その人たちには会ったけど、旅行の半分はほぼ一人で動いていた。

――今の話からすると、池谷選手の大学時代のプロフィールに書かれていた「物心がついたときにはハッピと鉢巻を身につけていたお祭り男」という自己紹介は、実は表向きのキャラということですか!?

池谷 そこ、見てる(笑)! 半分はキャラで半分は本当みたいな感じです。でも、どっちが楽かというと、静かに一人で部屋にいるほうが実は楽だったりします。もちろん、人に絡むのも好きだけど、自分から絡みに行っておいて、ときにしんどくなったりもする(笑)。

南野 それはなんとなく気づいていた。

池谷 さすが同級生!

南野 意外といく相手やタイミングも見極めている気がするし。

池谷 見極めている! ってかそこを見極めていないと、単なるお調子者になるし。

南野 ガンバの選手のLINEグループに加わるにあたって自己紹介していたときも「筑波大から来ました池谷銀姿郎です」「福岡将太って呼ばれています!」って書いて、大滑りしてたしな(笑)。

池谷 あれは、ミスった! 反省した。

南野 ギンとの関係値がある人はきっと、笑っていたと思うねんで。俺も去年、ギンが練習参加に来たときのみんなとのロッカールームでの絡みも目撃していたから爆笑していたし。でもあの姿を知っていたのは選手の半分以下やったからな。ギンを知らん人間は「こいつヤベェ奴か?」って思ったはず(笑)。まぁ、加入してからのギンを見て、その疑いは晴れたやろうけど。

池谷 だといいけどね。(福岡)将太くんがフォローしてくれてほんとによかった(笑)。今後はきちんと見極めていきます!

昔から遥海が足を振れば何かが起きる

――今シーズンは明治安田J1百年構想リーグを戦って2026-27年に向かいます。このハーフシーズンの目標を聞かせてください。

南野 点を取る。マジで、それだけです。

池谷 僕はリーグでもACL2でもとにかくいっぱい試合に出ることです。

――ガンバの百年構想リーグは『大阪ダービー』で開幕します。南野選手は昨年の開幕戦、ホームでの大阪ダービーにも途中出場されていましたが、あのときの屈辱を晴らさなければという思いも強いですか。

南野 もちろんそれもあるし、いきなり注目を集めるカードで、まして今回はヤンマースタジアムでの開催ですからね。ファン・サポーターの方もたくさん来てくれるというか、アウェー席のチケットもすぐに売り切れたと聞いているので楽しみです。去年は同級生の北野颯太に決められましたけど、今回は僕がしっかり点をとって、自分という存在を証明したいです。大阪ダービーは見たことある?

池谷 映像でしか見たことないけど、間違いなく日本一熱いダービーマッチだと思ってる。あっているよな?

南野 間違いない。

池谷 横浜FCアカデミー育ちの僕は横浜F・マリノスとの横浜ダービーはスタジアムで見たこともあるし、それ以外にも日本には多摩川クラシコとかいろいろなダービーマッチがあるけど、伝わってくる熱量としては『大阪ダービー』の右に出るダービーはないと思うので、めっちゃ楽しみ。

南野 今年は絶対に勝ちたい。

池谷 マジ、勝とう! あと、ダービーとは関係ないけど、パナソニックスタジアム吹田でのプレーもめっちゃ楽しみ。俺、去年ガンバの試合をスタジアムで見たのって3月の清水エスパルス戦(第5節)の1回だけで……。

南野 やまぴー(山下諒也)が決勝点を決めた試合ね。

池谷 そう! あの試合を見たときに「ここでプレーしたい」ってマジで思ったから。あのパナスタの雰囲気、あのサポーターの皆さんの声援のもとで早く戦いたい。絶対にそれが自分をより戦わせてくれると思うから。

南野 マジで心強いよ。ちなみに、去年はパナスタの年間入場者数の平均が3万人を初めて突破したらしいけど、できれば毎試合、3万人超えのパナスタでプレーしたいなって思う。大阪ダービーもそうやけど、3万人を超えるとより圧倒的なホーム感が漂うし、雰囲気も含めて最高やから。

池谷 3万人が入るかどうかで、また空気が変わるんかー。

南野 全然違う。そういや、俺、オフシーズンの海外一人旅でプレミアリーグを観に行ってんけど、マンチェスター・シティのエティハド・スタジアムが5万5000人収容で、5万4000人弱入っていて、アストン・ヴィラのホーム、ヴィラ・パークスタジアムは4万3000人収容で完売してた。パナスタもああなれば理想。

池谷 そんな雰囲気の中でプレーできたら絶対に気持ちいいでしょ。

南野 間違いない。あのギッシリ感を見るだけでテンションが爆上がりする。だからこそ、今年もしっかり勝たないと。

――最後にせっかくなので、お互いの今シーズンの見どころを紹介してもらえますか。

南野 ギンは間違いなく対人と空中戦。空中戦はマジで強い。

池谷 いやあ、マジで強い(笑)。

南野 あと練習でもそうやけど、チームがキツくなってきたとき、苦しいときに鼓舞してくれるのも、めっちゃ助かっている。おかげでもうひと踏ん張りしようって気持ちになれるし。そこは継続してお願いしたい。

池谷 任せとけ。遥海はとにかくゴール。昔も今も、足を振れば何かが起きるのが遥海なので。その姿をずっと見てきたからこそ、ぜひ今シーズンもバンバン足を振って、ゴールを取る姿を見せてほしい。

南野 取るよ。とにかく数字にこだわって残し続けることで、自分で証明したい。イメージは、サミュエル・エトーみたいな? ペップ・グアルディオラ率いるFCバルセロナ時代に、最初はペップの構想外だったらしいのに、2008-09のプレシーズンでめちゃめちゃ点を取って以降、1シーズンを通して活躍したみたいな。そのイメージです。ちなみに、ハーフシーズンの目標は2桁、10点です!

池谷 いいね。俺は10点関与。ゴールでもアシストでも、その1つ前のサイドチェンジでもなんでもいいから、10点に関与するプレーをしたい。

南野 サイドからいいクロス、ちょうだいな。

池谷 俺がサイドバックになればそういう楽しみも出てくるから、ぜひ期待して。

南野 頼むわ!

PROFILE◎みなみの・はるみ/2004年5月13日生まれ、兵庫県出身。176cm71kg。C大阪U-12-G大阪ジュニア-G大阪ジュニアユース-G大阪ユース-G大阪23-宮崎23途-栃木24-G大阪25~(写真◎J.LEAGUE)

PROFILE◎いけがや・ぎんじろう/2004年6月19日生まれ、東京都出身。183cm82kg。横浜FCジュニアユース-横浜FCユース―筑波大-G大阪26~(写真◎J.LEAGUE)

取材・構成◎高村美砂[フリーランスライター]