上写真=U-15日本代表時代から親交のある南野遥海(右)とルーキーの池谷銀姿郎(写真◎高村美砂)
初めて合ったときから波長が合った
――池谷選手によれば「すごく仲がいい」とうかがっています。
南野 いやー、この感じは、ちょっとキツいっす。
池谷 またまた。U-15日本代表から一緒だよ。仲が悪いわけがないっしょ。なんていうか初めて会ったときから、普通に波長が合いました!
南野 そこは間違っていないかも。U-15日本代表からずっと世代別代表に選ばれ続けてきたし、僕らの世代のときは月1回、代表活動があったから意外と会う機会も多かったしな。
池谷 遥海は、不思議ちゃんなので意外と好き嫌いがあるはずなんですけどね。
南野 自分のテリトリーにグイグイ入ってきたり、やたらと干渉してくる人は苦手なんですけど、そのタイミングとか回数が絶妙な人はウェルカムやねん。ギン(池谷)はきっとその部類。代表の活動で2〜3週間一緒に過ごしても、一度も喋らずに終わった、みたいな選手もいた中でギンとはよく喋ったし、一緒にいた印象もある。
池谷 別に俺はその遥海の空気を読んでいたわけではなかったけどな。
南野 じゃあ、たまたま俺の波長に合ったってことか? ま、ギンの性格的にノーがそもそもいないからかも知らんけど。でも、実は俺、同じチームに同級生がいるの、初めてやから。それはちょっとうれしかったりもする。
――池谷選手はプロキャリアをスタートする上で、いくつかオファーがあったとうかがいました。ガンバを選ぶにあたって南野選手に相談されたのですか?
池谷 しました! ガンバには去年の2月に練習参加をさせてもらったんですけど、遥海がちょうどガンバに戻ってきたタイミングだったのでかなり心強かったです。
南野 とか言いつつ、普通に自分からガンガン、他の選手にも突っ込んでいってたから、俺がおらんでも全然困っていなかったと思うけど。
池谷 確かに、基本、人見知りではないからいろんな人に話しにいってたけど、遥海みたく入口になってくれる選手が一人いるから入りやすかったっていうのは間違いなくあったよ。
――始動から2週間ほど経ちましたが、10代のころに比べて、お互いのプレーが変わったなと思うところはありますか?
南野 当時、ギンはセンターバックでしたからね。サイドバックでプレーしているギンをみてめちゃめちゃ走れるようになってるやん、とは思いました。サイドバックの特性とはいえ、縦のアップダウンもできるし、足も速い。そもそも身体能力が高かったのもあるとはいえ、持っているポテンシャルがサイドバックでも存分に活かされているなって思いました。
池谷 ありがとうございます(と言いながら、南野の足を叩く)
南野 こいつ、とにかくこういうボディタッチが多いのキツいです(笑)。
池谷 (構わず南野の肩を叩く)いや、普段は遥海のほうがボディタッチが多いからな。意外とこう見えて寂しがり屋なので僕がこうして構うくらいでちょうどいいんです。で、遥海のプレーですよね?! もともとエゴイストなFWでしたけど、近年はそのエゴな部分がより洗練されたなって感じました。10代のころはただガムシャラにゴールに向かう感じだったのが、今はそのガムシャラさにゴリッとゴールに迫る巧さや強さが加わって、より進化した気がします。
南野 面と向かって褒められることなんてないから、うれしいな。
池谷 確かに、お互いのプレーのことなんてほとんど話さないし、そもそも褒めることもまずないしね。これからは褒め合っていこう。
イェンス新体制のコンセプトは?
ハードな沖縄キャンプではつらつとした動きを披露していた南野(写真左/撮影◎佐藤景)
――イェンス・ヴィッシング新監督のもとでの新シーズン。初日からゲームをするなど強度の高いトレーニングが続いています。南野選手は攻撃の視点から、池谷選手は守備の視点から、チームとしての狙いを教えてください。
南野 前線からのプレッシングは特徴の1つだし、ボールへのアプローチもすごく求められます。そのプレッシングが効果的にかかれば、より高い位置でボールを奪える機会も増えるはずなので、いい守備ができればいい攻撃ができるって予感はすごくあります。
池谷 遥海は特徴を出しやすいんじゃない?
南野 そうね。なんならこれまでみたいに自分のところにボールが入って仕掛けるというよりは、守備をすることから自分の攻撃が始まっているくらいの感覚でいるからね。実際、守備でしっかり走っていたらしっかり体も動いてきてリズムが生まれ、それがそのまま攻撃に繋がっていく感じもしてすごくやりやすい。そういう意味ではそこまで深く考えなくても、守備から攻撃という繋がりの中でゴールを目指せている気がする。だからあとは、結果。そこは自分にもめちゃめちゃ求めている。
――沖縄キャンプに入ってからの2つの練習試合(FC町田ゼルビア戦、湘南ベルマーレ戦)でいずれもゴールを決めています。昨年も練習試合では全試合、ゴールを決めていた南野選手ですが、そこへのこだわりは昨年から継続している部分ですか。
南野 そうですね。コンディションもすごくいいですしね。湘南戦は僕を含めてチーム全体に疲れが見えた試合にはなったんですけど、その中でも自分の良さは出せたかなと思います。ただ、決められるチャンスはあと2つくらいあったので。そこを確実に仕留められるようにしていきたい。あと、イェンス(監督)はどの練習も、どの試合も「勝ち」にこだわっていることからも自分が出た45分間で引き分けに終わったのも課題に残りました。
――話を戻します。池谷選手、守備面でチームの狙いとしていることを教えてください。
池谷 筑波大時代は、どちらかというとボールを大事にすることが基本にあって、ボールを奪ったとしてもまずは自分たちのペースを作り出すためにボールを動かす感じだったんですけど、イェンスのサッカーでは、奪ったあとはとにかく前に、ということが第一選択なので。つまり縦方向への意識づけはすごく言われるし、そこは今シーズンの色の1つかなと思っています。
南野 自分自身の適応具合はどう?
池谷 守備での対人は自信を持っているので、そのボールを奪うところでは自分の良さを発揮できているけど、奪った後、前に差し込んでいくボールが、より相手にとって危険で、かつ自分たちにとっても的確な選択ができるようになれば、個人的にはもっと嫌な選手になっていけるのかなと思う。
南野 プロのスピード感は違うなって思う?
池谷 いや、スピードは今のところそこまで感じてないかな。でも対人のところはマッチアップする選手により能力の高い選手がたくさんいるだけに、奪える確率はもっと上げていかなくちゃいけないなって思っている。この間、イェンスと話したときも『守備の際、プレー選択自体はいいんだけど、その判断が少し遅れている瞬間が多いから、そこはもう少し早められたらいいね』って言われたしね。実際、そこを意識するようになったら思うようにボールを奪えることも増えてきたので、あらためて意識することは大事だなって思った。
――練習試合では、町田戦はセンターバックで、湘南戦はサイドバックでの出場でした。
池谷 そうですね。プロになるにあたってはサイドバックで勝負したいと明言しましたけど、センターバックとしてのプレーにも自信はあるし、今はとにかく試合に出ることが第一なので。ただ、サイドバックになればもっと得点に絡むようなプレーをしなくちゃいけないと思っています。