柏レイソルはJ1最終節のFC町田ゼルビア戦に1−0で勝利を収めたものの、首位・鹿島アントラーズにあと一歩及ばず、2位でシーズンを終えることになった。チームの中心としてシーズンを戦い抜いた小泉佳穂は試合後、悔しさととともに来季への思いを語った。

上写真=シャドーで先発した小泉佳穂は攻守両面で存在感を示した(写真◎J.LEAGUE)

今年、獲っちゃいたかった

「リーグを獲るっていうのは簡単じゃないなと。今年、獲っちゃいたかったなって思いは強い。残念です」

 リカルド・ロドリゲス監督のサッカーを体現してきた小泉佳穂は、悔しさをにじませた。序盤から相手のプレスをパスワークでいなし、攻め続けた柏は後半、オウンゴールで先制し、そのまま町田に勝ちきった。しかし、首位・鹿島も横浜FMに勝ったために勝ち点差は詰まることなく、1ポイント差の2位に終わった。

「僕ら以外のチームがこういうサッカーをするのは難しいというのが現実的にあると思う。そんな簡単にはトレンドは変わっていかないとは思うけど、僕らみたいなチームが減ってきていたからこそ、僕らにその強みがあった。そういう意味で今年、獲りたかった。相手には対ポジションサッカーに対しての経験値がなかなかないという意味で自分たちに優位性があると思っていたから」

 選手が最適なポジションを取り、後方からでもしっかりパスをつないで前進するのが今年の柏のスタイルだった。リーグの中では異質な存在だったが、そのメリットを生かなら今年だったという認識が小泉にはあった。だが、その思いはあと一歩のところで叶わず、目標達成は来季以降に持ち越された。

「対策も進むだろうし、相手も慣れてくる。それを超えていくのが来年再来年のテーマになる。シーズン中に相手が対応するかと思っていたけど、自分たちなりの回答を出せた。だからこそ最後まで勝ち続けられたし、対策を上回って自分たちが進化できたと思う。それと同じことを続けられれば」

 来季はよりマークがきつくなるだろう。それでも小泉はチームにも、自分にも期待した。確かな自信があるからだ。

「町田はJリーグの中でも屈指の強度と個の能力を誇っているチームで、そういった相手に対しても比較的自分たちらしいサッカーができたと思うし、それに加えて、勝負どころを抑えるみたいなところもできていた。本当にここまで戦ってきて、チームが成長したからこそ勝てた試合だったなと思っているので、今日の試合自体にはすごく手応えを感じています」

 攻めの姿勢と信念を貫いて手にした大きな自信が、小泉にも、他の柏の選手たちにもある。それは来シーズン、目標達成を目指す上で極めて重要な要素だろう。