上写真=序盤の苦しい時間を耐えると柏はらしさを発揮。名古屋に1−0で勝利した(写真◎J.LEAGUE)
■2025年11月8日 J1第36節(観衆13,634人/@三協F柏)
柏 1ー0 名古屋
得点:(柏)オウンゴール
勝利できずも名古屋はJ1残留決定
ルヴァンカップ決勝で柏破りの方法は再確認された。的確にポジションを取ってパスをつなぐスタイルを無力化するために、守備の局面で徹底したマンツーマンを実践することだ。フィールドに10個の1対1を作って、それぞれが上回れば、柏のボール保持を封じ込める。
この日の名古屋は開始から柏の選手に張り付いた。そしてロングボールを蹴らせて、回収を狙う。14分にはインターセプトからシンプルにパスをつないで最後は木村がシュート。GK小島のセーブに遭ったが、名古屋はプランを実践し、ゴールに迫っていった。
一方で柏も名古屋の意図を汲み取り、質で上回ろうと試みる。パス交換の途中にスルーや一つ選手を飛ばすプレーを挟み、プレスを回避。さらに最終ラインから古賀が持ち上がったり、左ウイングバックのジエゴが1対1を仕掛けて対面の相手を抜き去って、敵陣でマークのズレを生み、フリーの選手を作り出してゴールを目指した。
26分には小泉のスルーパスをボックス内で受けた垣田がヒールで落とし、ジエゴがシュート。枠の右に逸れたが、時間の経過とともに名古屋の守備にも慣れて、徐々に柏らしさを発揮していった。
古賀とのパス交換を永井に狙われてGK小島がボックス内でストップするという危ない場面もあったが、40分過ぎからは押し込む状況を作り、連続攻撃を展開。しかし押し込みながらネットは揺らせず、前半は0−0で終えた。
迎えた後半、垣田に代えて細谷、ジエゴに代えて瀬川を投入した柏が早速、スコアを動かした。47分、原田がギリギリのタイミングで裏に飛び出し、馬場の浮き球パスを受けると、そのままボックス内に進入してグラウンダーのクロスを供給。自陣ゴール方向へ向きながら三國のクリアに遭うが、ボールはそのままゴールイン。柏が先制に成功した。
その後は柏が優位に試合を進めていった。名古屋を自陣に釘付けにすると、幅を使ってゴールへのルートを探る。対する名古屋も選手交代で攻撃を活性化させて反撃のタイミングをうかがった。
それでも両チームともにゴールを奪えず、試合は1−0で終了。柏は複数得点こそならなかったが、ルヴァンカップ決勝で敗れたショックを引きずることなく勝利を収め、首位鹿島と勝ち点1差を維持し、リーグ戦残り2試合を戦うことになった。
一方の名古屋は勝利を手にできなかったものの、他会場で横浜FCが敗れたために、J1残留が決定している。
▼出場メンバー
・柏◎GK小島亨介、DF原田亘、古賀太陽、三丸拡(63分:杉岡大暉)、馬場晴也、小西雄大(70分:戸嶋祥郎)、中川敦瑛、ジエゴ(46分:瀬川祐輔)、小泉佳穂、小屋松知哉、FW垣田裕暉(46分:細谷真大)
・名古屋◎GK武田洋平、DF原輝綺(76分:椎橋慧也)、三國ケネディエブス、佐藤瑶大(76分:河面旺成)、MF野上結貴(65分:森壮一朗)、稲垣祥、森島司、和泉竜司、永井謙佑(65分:山岸祐也)、菊地泰智、FW木村勇大(89分:杉浦駿吾)