J2に降格が決まったチーム同士の対戦となった、11月8日の明治安田J1リーグ第36節。アルビレックス新潟はアウェーで湘南ベルマーレに2-5の敗戦を喫した。ここまでの36試合すべてに出場している長谷川元希はPKを決めて反撃の最前線に立ったが、試合後は言葉を絞り出すのに精一杯だった。

上写真=長谷川元希はPKを決めたものの、大量失点での黒星に言葉少な(写真◎J.LEAGUE)

■2025年11月8日 J1第36節(観衆:11,505人@レモンS)
湘南 5-2 新潟
得点:(湘)鈴木章斗2、平岡大陽、小野瀬康介、奥野耕平
   (新)長谷川元希、マテウス・モラエス

「すべてを壊してしまった」

 反撃のPKは、長谷川元希が蹴った。0-5で迎えた85分。若月大和がファウルを受けて得たPKは、湘南のGK真田幸太にコースこそ読まれたものの、ゴール左に蹴り込んだ。

「真ん中に蹴ろうと思ったんですけど、キーパーが動かなかったので、左に蹴りました」

 自身20試合ぶりの、今季7ゴール目だった。このあと、アディショナルタイムにマテウス・モラエスも決めたが、2-5で敗れた。17試合勝利なし。

「どっちもあるんじゃないですか」

 敗因はどこにあると感じているのか、と聞くと、どっちも、だという。選手も、チームも、という意味だ。

「僕自身も含めてですけど、個人の部分でミスが多くて失点して、それですべてを壊してしまったので、それに尽きると思います。申し訳ないです」

 前節のヴィッセル神戸戦でボランチとしてプレーして、2-2に追いつく若月大和のゴールを導く、鮮やかな右足アウトサイドスルーパスでのアシストを決めてみせた。新境地を開き、厳しい守備への対策を練って湘南戦に臨んだ。しかし、勝てなかった。

 試合後、怒りを隠さなかったサポーターの声に、早川史哉、田代琉我と一緒に最後まで耳を傾けた。

「僕は別に話してないんで。(早川)史哉くんの話を聞いていただけで、僕は特に話していないです」

 だが、彼らの思いを全身に取り込んだ。残り2試合、ホーム最終戦となる柏レイソル戦、そして最終節のアウェーのFC東京戦を戦う。

「あと2試合あるので、次はホーム最後ですし、しっかり頑張りたいなと思います」