上写真=植中朝日がハイレベルのシュートをねじ込んで、横浜FMが幸先よく先制した(写真◎J.LEAGUE)
■2025年10月25日 J1第35節(観衆:27,356人@日産ス)
横浜FM 3-0 広島
得点:(横)植中朝日、天野純、ジェイソン・キニョーネス
広島のゴールはオフサイド…
12分、植中朝日が蹴り込んだ横浜F・マリノスの先制ゴールが、試合の流れを決めた。
このゴールももともと、横浜FMがロングパスで押し込んでから、サンフレッチェ広島が収めたもののGK大迫敬介のパスが味方につながらず、喜田拓也が縦に差し込んで植中が決めたもの。残留に向けて勝ち点を奪い取るために、前に前にとボールを送り込むトリコロールの「変性」がもたらしたものだ。
リードしてもその戦い方は変えなかったが、大きなパスは確実性が下がるから広島が回収しやすく、ボールはほとんど広島の足元に戻ってくる。そうなれば、広島が次々とボールを回して押し込んでいく。
ただ、そこから先に工夫がない。ボールを走らせるものの、距離もスピードも変化がなく、ダイナミックな動きがないから守備時に4-4-2で構える横浜FMを崩せない。チャンスと言えば、45分に右からのサイドチェンジから左ワイドの菅大輝が切り返して放ったシュートぐらいだった。
だから、広島がメンバーをがらりと変えるのももっともだった。後半開始から中野就斗、中村草太、田中聡を、58分には木下康介と東俊希を投入して、一気にゴールへのパワーを強めた。
それが効果を発揮したのが66分だ。右からの斜めのパスを受けた木下が左のオープンスペースへ展開、東が折り返して中村がプッシュしてゴールネットを揺らした。理想的な展開でついに同点、と思われたが、VARチェックの結果、中村の位置がオフサイドでゴールは認められなかった。
そんな広島の攻撃に耐えた横浜FMに、ビッグチャンスは巡ってきた。83分、ペナルティーエリア右で天野純が田中に倒されてPKを獲得。天野が自ら力を込めて左足で蹴ったボールはゴール右下に突き刺さって、86分に横浜FMが貴重な貴重な追加点を手に入れた。
90+1分には、天野の右CKをジェイソン・キニョーネスがヘッドでたたき込み、勝利を確実にする追加点。このまま3-0で逃げ切った横浜FMが7月以来となる連勝を決めて、残留へまた一歩進んだ。
広島はこれで公式戦3試合ノーゴール。攻撃陣の個の能力がゴールに結びつかない苦しい時期を迎えている。