上写真=谷口栄斗はインターセプトからフィニッシュまで、決勝点を演出した(写真◎J.LEAGUE)
■2025年10月18日 J1第34節(観衆:17,497人@味スタ)
東京V 1-0 新潟
得点:(東)谷口栄斗
「一番いい形のもらい方」
「いやあ、いい選手になってきてるな」
周りを笑わせながらの自画自賛だ。東京ヴェルディのDF谷口栄斗が36分に決めたゴールが決勝点。アルビレックス新潟から1-0の勝利をもぎ取った。
これが今季3点目だ。8月9日、第25節の横浜F・マリノス戦で1-0の勝利の決勝点、9月20日の第30節でファジアーノ岡山に4-2で勝った試合のダメ押しゴール、そしてこの第34節、新潟相手にも決めて勝利と、「月イチゴール」はすべて勝ち点3をもたらしている。
新潟戦の決勝ゴールは、自らのインターセプトから始まった。相手が攻撃に出ようとするパスを引っ掛けて、矢印を折った。
「自分たちから組み立てていく段階で、失ったあとにいい予測ができて、インターセプトできました」
そこから持ち運んで、左の新井悠太へ、そこからさらに外を回った深澤大輝につながった。
「染野(唯月)に出す選択肢もあったんですけど、よりよい状況を作り出すために悠太に出して、そこから大輝が駆け上がってきてくれました。最後は染野がよく見てくれたのでよかった」
深澤の折り返しを、染野が相手をブロックしながら後ろに下げた。そこにいたのが谷口。ただ、理想的だと考える場所ではなかったのだという。
「ちょっと遅れたというか、もう1個入ってもよかったんですけど、染野がいいところに入ってくれました。理想的にはもう1個行ってもいいかなと思いましたけど、結局、あれがたぶん一番いい形のもらい方だったので、よかったですね」
だから、染野もしっかりとつなげてくれた。
「出してくれないかなと思ったんですけど、いいボールをくれましたね(笑)」
そのボールを左足でたたいて、見事なカウンターからの連係プレーを完結させた。
「左足だったので、ちょっと慌てたというか、あんまり状況は見えていなくて、速いボールを蹴り込もうっていう意識だけでした」
こうして一歩前に出たものの、後半は新潟に押し込まれてピンチの連続だった。なんとか無失点で切り抜けたことは大きかったが、「湘南戦と同じような後半を過ごしてるので、なんとも言えないですね」と、センターバックとしては守備の細部にも目を向けて反省した。
これで勝ち点を42として、12位まで順位を上げた。残留へ向けた貴重な1勝だ。次節にも残留が決まる。
「でも、僕は残留より上を目指したいです。下を見るよりも、より上の順位で終わりたいです。下を見るより上を見たほうが各々の成長にもつながると思いますし、クラブとしても大きなことなので」