明治安田J1リーグ第34節が17日、行われた。ノエビアスタジアム神戸ではヴィッセル神戸と鹿島アントラーズによる上位対決が行われた。立ち上がりからホームの神戸がアグレッシブに攻めたが、粘り強い鹿島の守備を崩せず、後半も1点を争う展開が続いたが、ネットは揺れず。勝ち点1を分け合う結果となった。

上写真=首位鹿島と4位神戸の直接対決はドローに終わった(写真◎J.LEAGUE)

■2025年10月17日 J1第34節(観衆25,806人/@ノエスタ)
神戸 0−0 鹿島

勝ち点差は5のまま、残りは4試合

 首位鹿島と4位神戸の勝ち点差は、5。この一戦で王者が決まるわけではないものの、優勝の行方を占う『マッチ・オブ・シーズン』と呼ぶべきゲームだった。

 とりわけ追いかける神戸にとっては優勝戦線に残れるかどうかの大一番。選手の気迫あふれるプレーに、勝利にかける強い思いが表れた。序盤からボールに対する寄せとボール奪取後の前進が際立つ。

 最初の決定機は3分。左サイドから宮代がクロスを送り、ボックス中央で大迫がシュート。しかしこれは鹿島の守護神・早川が身を挺してストップ。激しい試合の幕開けを予感させる攻防に満員のスタジアムが大きく沸いた。

 神戸優勢のまま試合は進み、開始20分までに5本のCKを獲得。27分には飯野の右クロスからゴール前にフリーで走り込んだ宮代が狙う。ボールは枠を逸れたが、それでも神戸ペースは変わらなかった。

 しかし、一つの交代をきっかけに鹿島もチャンスを作り始める。35分、神戸の右サイドでチャンスに絡んでいたエリキが負傷し、この試合が8試合ぶりの復帰戦となる佐々木大樹と交代。すると、直後の37分に鹿島にとって最初のビッグチャンスが訪れる。左CKの場面でショートコーナーからエウベルがクロスを供給。植田が飛び込み、ヘッドでとらえたがシュートはも枠上へ逸れた。

 前半0−0で終了。ポゼッションは神戸が56%と上回り、シュートも神戸の10本に対し、鹿島は3本。最初の45分は神戸の時間だった。

 後半も神戸の攻めを鹿島が受け止め、そして攻めに転じる構図で時計の針が進んだ。互いにチャンスをつくるもフィニッシュの精度が足らず、ネットを揺らすには至らない。

 鹿島は終盤、足を痛めた鈴木に代えて荒木、チャヴリッチに代えて田川を投入し、ゴールを目指した。一方の神戸も宮代に代えて井出、永戸に代えて本多をピッチに送り、活性化を図ったが。互いに勝負を決めるゴールを生み出すことができず。

 スコアレスのまま迎えた後半のアディショナルタイムは7分。90+4分には鹿島に絶好機が訪れる。最終ラインの裏に出たボールに田川が反応。GKとの1対1となったが、シュートは前川の股の間を通らず、ストップされてしまう。前半は鹿島の早川、後半は神戸の前川がチームを救った。

 結局、試合はそのまま0−0で決着。ハイインテンシティの中で繰り広げられた勝負は勝ち点1を分け合った。鹿島は明日18日の試合で柏がG大阪に勝利し、明後日19日の試合で京都が湘南に勝利を収めれば、3ポイント差に詰められることになった。一方の神戸は首位チームとの直接対決の機会に勝ち点差を詰めることができず、5差のまま、残り4試合で逆転優勝を目指すことになったーー。

▼出場メンバー
・神戸◎GK前川黛也、DF飯野七聖(65分:広瀬陸斗)、山川哲史、マテウス・トゥーレル、永戸勝也(87分:本多勇喜)、MF鍬先祐弥、扇原貴宏、宮代大聖(87分:井出遥也)、FWエリキ(35分:佐々木大樹)、大迫勇也、武藤嘉紀

・鹿島◎GK早川友基、DF濃野公人、植田直通、キム・テヒョン、小池龍太(69分:小川諒也)、MFチャヴリッチ(83分:田川亨介)、知念慶、三竿健斗、エウベル(61分:松村優太)、FWレオ・セアラ(69分:津久井佳祐)、鈴木優磨(83分:荒木遼太郎)