9月15日の明治安田J1リーグ第29節、FC東京と東京ヴェルディが激突した「東京ダービー」で、長友佑都が吠えた。日本代表のアメリカ遠征から帰ってきたばかりだが、フル出場で勝利に貢献。39歳になって初めての試合で、熱いバトルを繰り広げて「伝説を残す」と宣言した。

上写真=長友佑都が吠えた! 熱い勝利にフル出場で大きく貢献した(写真◎Getty Images)

■2025年9月15日 J1第29節(観衆:37,424人@味スタ)
FC東京 1-0 東京V
得点:(F)長倉幹樹

「34.8歳」だからこそ

 青赤のサポーターが、東京ダービーの勝利を祝って高らかに「眠らない街」を大合唱する。

「今日は寝られないね。サポーターのみんなに、眠らせないような興奮するような試合をしたいと言ってきたから」

 長友佑都の笑顔からは充実感がみなぎる。「ダービーは勝つことがすべて」。ミラノダービーを戦った男の言葉にはやはり「本物」の重みがある。

 序盤からピッチのあちこちで肉弾戦が繰り広げられた。だが、相手の勢いをうまく吸収しながらFC東京がペースを引き寄せる展開だった。なかなか思うように攻められなかったが、60分に長倉幹樹が鮮やかなループシュートで先制、最後まで守りきって、このカード17年ぶりの勝利をもぎ取った。

「これをまた自信につなげなきゃいけないですからね。攻守においてまだまだ詰めなきゃいけないことがありますし。ですけど、今日も、キーパーとディフェンスラインは平均年齢がたぶん35歳ぐらいだったんですけど、抑えるべきところだったり危機察知の部分も含めてやっぱり違うなというのはやってて感じたんで。こういうゼロに抑えてクリーンシートを記録する試合をできていければ、おのずと結果は出てくるんじゃないかな」

 GKキム・スンギュ34歳、最終ラインは右から長友が39歳、アレクサンダー・ショルツが32歳、森重真人が38歳、室屋成が32歳で、平均年齢は34.8歳だった。いわば「大人の魅力」で若い東京Vの向こうっ気の強さをやんわり包みこんだとも言える。それでも、自分に厳しい態度は崩さない。

「ワールドカップレベルになってくると、さっきも言ったようにもっと圧倒しなきゃいけないと思うので、そこの部分はまだまだ満足はできないですね」

 日本代表のアメリカ遠征から戻って迎えた初戦でフル出場と、そのタフさには恐れ入る。9月12日に年齢を一つ重ねたばかりだが、まだまだ意気軒昂だ。

「伝説を残すことを自分自身に課してるので、前人未到のワールドカップ5大会にしっかりと出るということ、出るだけじゃなくて、レギュラーとして、完全な戦力としてワールドカップの優勝メンバーになること、それが目標です」

 ダービーの熱い勝利が、ますますこの男を突き動かしていく。