8月31日に明治安田J1リーグ第28節が行われ、浦和レッズとアルビレックス新潟が対戦した。ともに調子が上がりきらない状態で顔を合わせた一戦は、30分に浦和がカウンターからマテウス・サヴィオが仕留めて、これが決勝点。浦和が上位に食らいつく勝ち点3を手にした。新潟は9試合勝利なし。

上写真=マテウス・サヴィオがきれいに射抜いたゴールが決勝点(写真◎J.LEAGUE)

■2025年8月31日 J1第28節(観衆:30,968人@埼玉ス)
浦和 1-0 新潟
得点:(浦)マテウス・サヴィオ

新潟は9戦勝利なし

 浦和レッズとアルビレックス新潟。どちらが勝利で「不安」に別れを告げることができるか。それが問われた一戦だった。

 浦和は27節で柏レイソルに2-4で衝撃的な逆転負けを喫し、天皇杯準々決勝でもFC東京に1-2と、2試合連続で逆転負けを食らったショックは大きい。その不安を最下位相手に勝って払拭したかった。

 その浦和にとっては、有利な状況が並んでいた。新潟には2006年7月の第19節で敗れて以来、20勝8分けと一度も負けていない。そのうち、今回の舞台、埼玉スタジアムでは16度対戦して12勝4分けと、無傷だ。しかも、新潟は現在最下位で、直近の8試合は1分け7敗。6月に指揮官が入江徹監督に代わってから一度も勝っていない。さらに、その入江監督が新型コロナウイルスに感染し、この浦和戦は吉本岳史ヘッドコーチが指揮を執ることになった。

 新潟から見れば、不利なデータはあるものの、夏の補強によって地力の底上げが見えてきたタイミングで不安定な浦和と戦える、というポジティブな見方もできた。

 果たして、先に勢いを見せたのは新潟。開始直後に白井永地が相手ミスから奪って狙ったのを始まりに、6分、8分に小原基樹が左サイドから割って入ってフィニッシュにつなげた。守っても集中力は高かった。2分に荻原拓也に右から進入されて狙われたが、シュートはGK田代琉我がセーブ、15分にも中島翔哉のミドルシュートを田代がかき出した。22分に右サイドを破られて荻原に折り返され、中島にフリーで打たれたが、舩木翔がブロックする。

 だが、スコアを動かしたのは浦和のほう。30分、ダニーロ・ボザの縦パスを小森飛絢が体を張って落とし、金子拓郎がピックアップ。そのままハーフウェーライン手前からロングドリブルでゴールに突き進み、最後は相手を引きつけて左に渡し、マテウス・サヴィオがダイレクトできれいにゴール右を射抜いた。見事なカウンターを完結してみせた。

 浦和はリードして迎える後半が課題だった。48分にはミスから堀米悠斗にインターセプトされ折り返しをブーダに至近距離から狙われたが、GK西川周作が読んでストップ。最大のピンチを切り抜けた。

 ここ2試合は相手より先に足が止まって逆転されたが、後半にも体力を残しつつ、新潟もテンポダウンしたことで穴を開けずに済んだ。

 結局、このままタイムアップ。浦和は上位に食らいつく勝ち点3を手にし、新潟は9試合も勝利から遠ざかっている。