再開した明治安田J1リーグで8月10日、FC東京が鹿島アントラーズをホームに迎える第25節が行われた。序盤からともに積極的にゴールを目指す展開で引き締まったゲームに。最後は田川亨介が古巣相手に決めて、鹿島が勝利をもぎ取った。

上写真=61分からピッチに入った田川亨介が決勝ゴール。鹿島が厳しい試合で勝ちきった(写真◎J.LEAGUE)

■2025年8月10日 J1第25節(観衆:40,939人@味スタ)
FC東京 0-1 鹿島
得点:(鹿)田川亨介

「突き進んでいく」と鬼木達監督

 2分にFC東京のマルセロ・ヒアンが放った右ポスト直撃のシュートを合図に、ゴール前の引き締まった攻防が続くスリリングなゲームになった。

 続けて4分には左からのクロスにマルセロ・ヒアンが左足で狙ったが、GK早川友基が右手一本でセーブ。鹿島は10分に、古巣対戦となった荒木遼太郎の左足シュートで空気を変え、14分にはこちらも古巣相手小川諒也の左からのクロスにレオ・セアラが至近距離からヘディングで狙ったが、今度はFC東京のGKキム・スンギュがかき出す好セーブを見せた。FC東京は25分にもカウンターから右を割り、長友佑都のセンタリングに長倉幹樹がニアに突っ込んで放ったボレーシュートは、またも早川にストップされた。 

 雨脚が強くなった後半はボールコントロールが難しくなり、ともにやや慎重に。そのため、明確なチャンスは減ったが、FC東京は60分にマルセロ・ヒアンが右から狙い、21分にも左右に揺さぶって最後は佐藤恵允がシュートを放った。

 鹿島も負けておらず、67分にカウンターから田川亨介が持ち運び、最後はレオ・セアラに託したが、シュートはGK正面に飛んだ。75分には左CKにキム・テヒョンがヘッドで合わせたがわずかに枠を外れた。

 そんな一進一退の攻防にケリをつけたのは、アウェーチームの方だった。81分、右サイドのスローインの流れから右深くで鈴木優磨が受けてセンタリング、ニアに入った田川が古巣のゴールに左足で送り込んで、ついに均衡を破った。

 これが決勝点。最後までゴールを固めた鹿島が逃げ切って連勝とし、首位に返り咲いた。「自分たちが首位の座を守るというよりも、突き進んでいく強い気持ちを持っていきたい」と鬼木達監督は力強く宣言した。