6月28日の明治安田J1リーグ第22節で、サンフレッチェ広島と名古屋グランパスが対戦した。前半の広島は大きなミスが続き、これを逃さなかった名古屋が2得点を挙げてリードを奪う。だが後半に3点目のチャンスを生かせず、広島は終了間際に1点を返したが、逃げ切った名古屋が3試合ぶり勝ち点3をつかんだ。

上写真=試合終了間際に1点を返した広島は、その後のCKの場面ではGK大迫敬介もゴール前に上がって同点を狙ったが、名古屋がリードを守り抜いた(写真◎石倉利英)

■2025年6月28日 J1リーグ第22節(@Eピース:観衆26,246人)
広島 1-2 名古屋
 得点:(広)新井直人
    (名)マテウス・カストロ2

「勝ち点1でも、と思っていた」

 立ち上がりから広島が攻め込んだものの、最初の決定機は名古屋。11分にCKをFW山岸がヘッドで合わせたが、惜しくもクロスバーに当たった。18分には広島がチャンスを作り、MF東のスルーパスをFW加藤が狙うも名古屋GKピサノがセーブ、こぼれ球をFW木下がヘッドで狙ったシュートも防いでCKに逃れ、ゴールを割らせない。

 均衡が破れたのは21分だった。名古屋GKピサノのロングキックをMF森島がヘッドで流したボールを、広島DF荒木が後方に流して処理しようとしたが、そこに待っていたFWマテウス・カストロが拾ってドリブル突破。最後は広島GK大迫との1対1を制してネットを揺らした。

 さらに40分、名古屋は再び広島のミスを突いて追加点を奪う。最終ラインからのビルドアップを狙ったGK大迫のパスが名古屋MF稲垣に直接渡ると、稲垣が素早くマテウス・カストロにつなぎ、再び左足で蹴り込んでリードを広げた。

 後半も名古屋がカウンターで多くのチャンスを作る。だが55分にDF原のパスから山岸が右足で狙ったシュートは左に外れ、63分にはロングパスに反応したFW永井が、ワントラップから右足で狙ったシュートが枠を捉えない。

 広島は選手交代を交えて圧力を強めるも、名古屋の堅陣を崩せないまま試合終了間際を迎えたが、90分に1点を返す。敵陣でのボール奪取からパスを受けたMF新井が中央をドリブルで運ぶと、鮮やかな左足ミドルシュートを右上に突き刺した。

 その後は広島が猛攻を続け、CKのチャンスではGK大迫もゴール前に上がって何とかこじ開けようとしたが、粘り強く守った名古屋が逃げ切り。長谷川健太監督は「この試合は勝ち点1でも、と思っていたので、3が取れて、選手たちがよくやってくれた」と評価していた。

取材・写真◎石倉利英

▼出場メンバー
・広島:GK大迫敬介、DF中野就斗、荒木隼人、佐々木翔、MF新井直人、川辺駿、東俊希(58分:菅大輝)、中村草太(75分:小原基樹)、FW加藤陸次樹(58分:前田直輝)、ジャーメイン良(70分:ヴァレール・ジェルマン)、木下康介(HT:中島洋太朗)

・名古屋:GKピサノアレックス幸冬堀尾、DF野上結貴、三國ケネディエブス、原輝綺、MF徳元悠平(90+4分:河面旺成)、椎橋慧也、稲垣祥、森島司(54分:菊地泰智)、和泉竜司、FWマテウス・カストロ(HT:永井謙佑)、山岸祐也(90+4分:森壮一朗)