明治安田J1リーグ第6節が15日、各地で開催され、味の素スタジアムでは東京ヴェルディと名古屋グランパスが対戦。先制したのはアウェーの名古屋だったが、後半開始から出場した山見大登の活躍もあり、東京Vが逆転。勝利を手にした。

上写真=同点ゴールを決めた山見。この後、逆転ゴールもアシストした(写真◎J.LEAGUE)

■2025年3月15日 J1第6節(観衆16,300人/@味スタ)
東京V 2-1 名古屋
得点:(東)山見大登、綱島悠斗
   (名)森島司

綱島が2試合連続ゴール!

 3−4−2−1の陣形だけではなく、果敢なプレス、球際の激しさ、ボール奪取後のショートカウンターの鋭さも含めて共通点が多い両チーム。しかし前半はそのいずれの点でも名古屋が上回った。21分の名古屋のゴールも敵陣でのパスカットからショートカウンターによって決めたものだった。

 東京Vのボランチ・齋藤とFW染野の呼吸が合わず、スペースに出したパスを染野が収める瞬間にミスが生じると、こぼれ球を名古屋の右CB三國が回収。前方にいた浅野がパスを受け、ボックス内への浮き球パスを送ると稲垣が頭で触って後方へ。森島が拾って素早くシュート。見事な連動でネットを揺らした。
 
 前半はそのまま名古屋リードで終了。長谷川健太監督も「パーフェクトな内容だった」と振り返ったが、「2点目を取りに行こう」と臨んだ後半、状況が一変する。ワンタッチパスでシンプルにゴールを目指す意識を高め、相手の背後にボールを『刺す』ことを狙った東京Vがペースを握り返した。

 63分、自陣からロングカウンターを仕掛けると、山見が抜け出し、ボックス左からシュート。GK武田の足元を抜き、同点ゴールをつかむ。さらに73分には山見が蹴った右CKから綱島がヘディングで2試合連続となるゴールを決めて東京Vが勝ち越しに成功。ホームチームは名古屋がやりたかった「2点目を取る」展開に見事に持ち込んだ。

 ここまで5戦未勝利であるためか、名古屋は長谷川監督も認めたように失点後に消極的なプレーが見られるようになった。一方で東京Vは前半のうちに森田が負傷交代するなど難しい展開になりながらも、後半は積極性を打ち出して逆転。とくに後半から登場した山見の存在は大きく、チームに推進力を与え、攻撃を活性化させた。結果、チームとしても後半早々に引き寄せた流れを最後まで渡すことなく、2−1で勝利を手にした。

 今季2勝目を挙げた東京Vは13位に順位を上げ、6戦未勝利の名古屋は最下位から脱することはできなかった。苦しい状況に陥っている名古屋の長谷川監督は「まもなくけが人が戻って来る」と話した。代表ウィークでリーグ戦が中断する期間に、どこまでチームを立て直せるかが巻き返しの重要ポイントになりそうだ。