FC東京が1月11日、小平グラウンドで2025年の初練習に臨んだ。およそ700人のサポーターが見守る中、新しく就任した松橋力蔵監督と「再合流」したのが高宇洋。アルビレックス新潟時代に仕えた指揮官のすべてを知り尽くしているだけに、チームが飛躍する1年のメーンキャストになりそうだ。

上写真=髪型を変えてリフレッシュ。高宇洋の存在感はさらに増すことになりそうだ(写真◎サッカーマガジン)

「しゃべることはすごく大事な部分」

 高宇洋が選手として大きな飛躍を果たしたのは、アルビレックス新潟で松橋力蔵監督とともに戦っていたときのことだ。2025年、その高を追うようにして松橋監督がFC東京にやって来た。

 1月11日、最初の練習の前の初ミーティングはおよそ30分ほどと長かった。

「リキさんのミーティングだな、っていう感じでした」

 久々にその声を聞いて、高は懐かしさを覚えていた。

「ミーティング、長かったじゃないですか。リキさんが用意してきたプレゼンテーション的なものを使いながら、しゃべりがうまいので、どんどんしゃべってしゃべって長くなった感じはしましたね」

 冗談めかして笑わせながらも「すごく心に入ってくるようなことを言っていたので、ちゃんとみんなに伝わっていると思います」と、その言葉の重みを受け取っていた。

 熱いメッセージの主旨は「勝つこと」だったという。

「新潟から来て、ボールを動かすサッカーのイメージはあるけれど、やっぱり勝つところに 目的を置いて東京に来たと話していました。もちろん、新潟のときから勝つために何をするかを伝えてきた人なので、そういったところはやっぱり変わらないなと。改めて、このクラブでしっかりと勝ち切ることを目的としてやっていこうという思いになりました」

 練習前にはサポーターの前で選手を代表してマイクを握り、「ここにいる選手、スタッフ全員で日々のトレーニングやゲームに覚悟を持って貪欲に取り組んでまいりたいと思います。 サポーターの皆さん、東京に関わるすべての皆さまと今年勝ち取れるようにやっていきましょう」とあいさつした。移籍2年目で早くもチームの顔である。

 ピッチの上でも、新潟でともにチーム作りに参画してきた経験を、このチームの大きな礎にしなければならない。「でも、あまり考えすぎずに、自分はまず自分ですし、僕自身の競争もありますから」という大前提はあるとしても、その上でやはり、監督とチームをつなぐ役割が期待される。

「まずは自分をしっかり表現していきたい。その延長線上で、チームが勝つために、いい方向に行くためには、コミュニケーションの部分でしゃべることはすごく大事な部分だと思います。それは去年からもやってきたけれど、もっと強固なチームの連動やつながりを持つためにも、コミュニケーションの量や質はもっともっと必要です」

 松橋監督の就任が決まってから、その人物像を聞かれることが多かったという。

「誠実で表裏がなく、ウソをつかない人。本当に信頼できると思います、と伝えてきました」

 絶大な信頼を寄せる指揮官との再タッグによって、「もっともっと、という欲は尽きないんです」と進化への強い衝動にかき立てられている。