今季限りでの現役引退を発表しているサンフレッチェ広島MF青山敏弘が、プロキャリア最後のリーグ戦ホームゲームへの意気込みを語った。12月1日の明治安田J1リーグ第33節・北海道コンサドーレ札幌戦に向けて、11月30日に前日練習を消化。特別なカラーリングのスパイクで臨む一戦で、逆転優勝につながる勝利への貢献を期している。

上写真=ラインがゴールド、シュータンが紫の特別なスパイクで前日練習に臨んだ青山。札幌戦の試合後には引退セレモニーも行なわれる(写真◎石倉利英)

「勝てば、きっと優勝につながる」

 ミヒャエル・スキッベ監督は前日練習終了後に青山と、今季限りでの契約満了が発表されているMF柏好文のメンバー入りを明言した。「本当にありがたいこと」と感謝した青山は、「僕のリーグ戦最後の試合ですが、それよりも、優勝が懸かっている。そういう緊張感の中で、そういう日を迎えさせていただくのは、本当に幸せだと思っているので、まず勝ちたい。(試合後に予定されている)自分のセレモニーうんぬんよりも、そういう思いが強い」と強調している。

 広島は第33節終了時点で首位だったが、その後に3連敗を喫して失速し、前節終了時点で首位のヴィッセル神戸と勝ち点3差の2位。それでも、過去3回の優勝を知る広島のバンディエラは「優勝争いをしているので、こういうもの。最後にもう1回上がっていって初めて、それ(優勝)が見えてくると思う」と悲観していなかった。

 残り2試合でリードされる展開を「どのチームも苦しい思いをして戦っている。それはウチだけじゃないので、乗り越えなきゃ優勝できない。そこで成長できるかどうか」と指摘。「勝てば、きっと優勝につながると思っている。僕の最後だろうが、何だろうが関係ない」と続けた。
 
 この日の練習では、長年使用しているミズノのスパイク『モレリア』の特別バージョンを履いていた。通常は白のラインが、鮮やかなゴールドになっており、同じく通常は白のシュータンは紫に。関係者が特別に用意したもので、「ありがたいことに作っていただいた。作っていただける選手も、ほぼいないので、感謝して履かせていただきたい」と喜んだ。

 カラーリングはリクエストしたものではなく、「どんな色が来るんだろうと思ったら、ゴールドだった。これは優勝しろというメッセージだと思って、履かせていただきます」と決意を込めて語った。この取材が終わった数時間後、神戸が柏レイソルと引き分けたため、札幌戦で勝てば勝ち点差を1に縮めて最終節を迎える状況に。まさに黄金のように輝く優勝でのフィナーレに向けて、広島の戦う男が最後のピッチへと向かう。

取材・写真◎石倉利英