明治安田J1リーグは第36節を迎え、11月9日には残留を争う17位の柏レイソルと16位のアルビレックス新潟の直接対決に注目が集まった。静かな前半を終えて迎えた後半には柏がエースの細谷真大のゴールで先制したが、アディショナルタイムに新潟が藤原奏哉の一撃で追いつき、1-1の痛み分けで終わった。

上写真=新潟がアディショナルタイムに同点に。藤原奏哉がボレーで仕留めて歓喜(写真◎J.LEAGUE)

■2024年11月9日 J 1第36節(観衆14,472人/@三協F柏)
柏 1-1 新潟
得点:(柏)細谷真大
   (新)藤原奏哉

静かな前半から最後は劇的

 勝ち点39で17位の柏レイソル。勝ち点40で16位のアルビレックス新潟。J1残留に向けて敗北の許されない「6ポイントマッチ」は、ともに慎重な戦い方を選択した。

 柏は長身の木下康介へのロングボールで押し込んでから左サイドを執拗に攻め、サイドバックのジエゴが深くまで攻めて折り返すところまではよかったが、中央に厚みがない、というシーンが繰り返された。新潟もなかなかテンポが生まれず、柏が無理にボールを奪いに来ないためにじっくりとボールを持つことにはなったが、逆に持たされすぎたのか崩し切るシーンはほとんどなかった。

 その新潟が、後半は攻勢に出た。左センターバックの稲村隼翔のパスから左サイドバックの橋本健人が生き生きと飛び出すシーンが増えて、長谷川元希、秋山裕紀、ダニーロ・ゴメス、またも長谷川元希と立て続けにフィニッシュのシーンを迎えた。

 だが、試合を動かしたのは柏のほう。74分、手塚康平が蹴った左CKを中央で細谷がヘッドで叩きつけてゴール左に送り込み、ついに均衡を破った。

 新潟は同点にするべく攻めて、88分には左からの橋本健人のクロスのこぼれ球を小見洋太がシュート、しかしこれは左ポストに阻まれ、跳ね返りを星雄次が左足で狙ったがバーを越えていった。

 これで万事休す、と思われたが、まだ終わっていなかった。90+4分、左からまたも橋本がファーにクロス、小見がヘッドで落としたボールを藤原奏哉が右足のボレーでゴール左に流し込んで、ついに同点。ルヴァンカップ決勝に続き土壇場の同点劇でなんとか勝ち点1をもぎ取った。

 柏はこれで4試合連続でアディショナルタイムに失点する悪夢。ともに勝ち点1を上積みして順位は変わらず、残り2試合でJ1残留にかける。