8月25日の明治安田J1リーグ第28節で、サンフレッチェ広島と柏レイソルが対戦した。柏がカウンターでチャンスを作る場面もあったが、前半に先制点を奪った広島が後半にも加点し、終盤に退場者を出した相手に完封勝利。2位を堅持したのち、首位のFC町田ゼルビアが引き分けたため、勝ち点差を2に縮めた。

上写真=中野(15番)の先制点などで広島がホームで柏を下し、30年ぶりの6連勝。首位と勝ち点差2に迫った(写真◎J.LEAGUE)

■2024年8月25日 J1リーグ第28節(@Eピース:観衆25,296人)
広島 2-0 柏
 得点:(広)中野就斗、オウンゴール

終盤の退場者で数的優位に

 立ち上がりからカウンターを狙う柏は、5分にFW小屋松からのスルーパスを受けたFW細谷がゴールに迫り、9分にはFWマテウス・サヴィオがゴール前中央からミドルシュートを放つなど、良い形を作る。広島は31分にMF新井のパスをMF満田がフリック、エリア内に走り込んだMF松本が飛び出してきた柏GK松本よりも早く右足で触り、ボールは枠内へ向かったが、DF片山が懸命に戻ってクリアした。

 一進一退の攻防が続く中、先にスコアを動かしたのは広島だった。38分、右サイドの新井にパスが渡ったところで後方からDF中野が追い越し、新井は中野を使わずに中央へのパスを選択したが、戻ってきたM・サヴィオの右足に当たったボールがエリア内の中野の前へ。これを中野が右足でゴール左上に突き刺して先制点を奪った。

 後半も立ち上がりから広島が押し気味に進めていたが、柏は52分、左サイドへのロングパスに反応した細谷が、広島DF荒木との競り合いに勝ってエリア内に侵入。GKと1対1のビッグチャンスを迎えたが、右足シュートは右に外れてしまう。

 柏は59分に2人の選手交代を行なって流れを変えようとするが、広島が65分に突き放す。MF東、DF佐々木とのコンビネーションから松本が左サイドでフリーとなり、グラウンダーのセンタリングを送ると、柏DF犬飼がクリアし切れなかったボールがニアサイドを破り、オウンゴールとなって2-0とした。

 柏は何とか局面を打開しようと攻め込むものの、83分にフリーで抜け出そうとする広島FW加藤を倒したDF古賀が、DOGSO(決定的な得点機会の阻止)で退場処分に。2点のリードに加えて数的優位にも立った広島は、その後の決定機は決められなかったものの、余裕の展開で試合終了の瞬間を迎えた。

 広島はサントリーシリーズ(ファーストステージ)を制した1994年以来30年ぶりとなるリーグ戦6連勝を達成し、クラブ記録に並んだ。さらに30分後に始まった町田とアルビレックス新潟の試合が引き分けに終わったため、勝ち点差が2に縮まることに。ミヒャエル・スキッベ監督は「相手は立ち上がり、中盤からの縦パスが出て速いカウンターがうまくできていたと思うが、(前半の)飲水タイムを機に自分たちも良い攻撃ができるようになった。後半は自分たちがどんどん良くなっていって、勝ちに値する試合だったのではないか」と満足げに振り返った。

取材◎石倉利英 写真◎J.LEAGUE

▼出場メンバー
・広島: GK大迫敬介、DF中野就斗、荒木隼人、佐々木翔、MF新井直人(90+6分:越道草太)、塩谷司(77分:ドウグラス・ヴィエイラ)、川辺駿(85分:中島洋太朗)、東俊希(90+6分:イヨハ理ヘンリー)、松本泰志、満田誠(85分:トルガイ・アルスラン)、FW加藤陸次樹

・柏:GK松本健太、DF片山瑛一(71分:土屋巧)、犬飼智也、古賀太陽、ジエゴ、MF白井永地、戸嶋祥郎(85分:熊澤和希)、山田雄士(59分:島村拓弥)、FWマテウス・サヴィオ、小屋松知哉(59分:木下康介)、細谷真大(71分:垣田裕暉)