西村拓真からスーパーゴールが飛び出した。8月17日の明治安田J1リーグ第27節、川崎フロンターレとの「神奈川ダービー」で、60分に左足で弾丸ミドルをぶち込んでみせた。先制のPK獲得も西村の抜け出しからで、きっちり結果を残して胸を張った。

上写真=西村拓真が前線で見せたアンデルソン・ロペスとのコンビネーションが冴えた(写真◎J.LEAGUE)

■2024年8月17日 J1リーグ第27節(@U等々力/観衆22,850人)
川崎F 1-3 横浜FM
得点:(川)エリソン
   (横)アンデルソン・ロペス、西村拓真、畠中槙之輔

「エナジーは余裕で残っていた」

「迷いはなかった」

 西村拓真は60分、ボールを足元に収めて中央から左に進むと、ペナルティーエリアの外、およそ20メートルはある距離から、左足でボールをきっちりミートした。パワフルなボールが一気にゴール右へと飛んでいく。まさしく「突き刺さる」という表現がぴったりなスーパーゴールにスタジアム全体がどよめいた。

「インステップは得意ですから」

 復帰後、初ゴール。その瞬間の判断を自画自賛した。

「(パスとシュートの)両方を選べましたけど、まずはシュートと一番に考えられたことがよかったと思います」

 なにより、ストライカーの血が騒いだというわけだ。2分前にアンデルソン・ロペスがPKを決めて先制していて、直後に突き放したこの一発で大きなアドバンテージを手にすることになった。

 そして、そのPKは西村が獲得したものだ。永戸勝也の斜めのくさびをアンデルソン・ロペスが落とし、西村が抜け出そうとしたところで倒された。豪快ミドル弾も右の松原健の中へのパスをアンデルソン・ロペスがポストになって落として受けてから、左に出て放ったシュートだった。どちらも頼れるセンターフォワードとの呼吸がぴたり。コンビネーションに磨きがかかってきたことが、西村をことのほか喜ばせる。

「1点目のPKをもらったシーンもそうですけど、ロペスとの関係性による連係が、復帰してから少しずつ出てきています。毎試合、良くなっていくと思いますし、その中でああやって結果を残せてよかったです」

 豪快に決めたゴールのすぐ後、64分には交代することになったが、余力は残したまま。その分は、ACLエリートも始まるこの先の試合にぶつけていく。

「もちろんエナジーは、余裕で残っていたし、もっとやりたいという気持ちはあります。でも、それは監督が決めることですし、僕はリスペクトしています。もっと監督の信頼を得られるようにやっていければ」