上写真=町田は6分にオウンゴールで先制して、これが決勝ゴールに(写真◎J.LEAGUE)
■2024年7月14日 J1リーグ第23節(@味スタ/観衆22,480人)
東京V 0-1 町田
得点:(町)オウンゴール
最後の最後まで白熱
左からボランチ2人を経由して右に展開し、サイドバックの鈴木準弥が高速クロス、逆サイドで駆け引きしていた藤尾翔太が飛び込んでオウンゴールを誘発した。首位のFC町田ゼルビアがあっけなく先制したのは、わずか6分のこと。
前回対戦では東京Vが0-5で大敗して、そのリベンジに注目が集まらないわけはない。この屈辱のあと、東京Vはシステムを4バックから5バックに変えて立て直しを図ってきて、この日を迎えたのだ。その出鼻をくじくような町田の先制ゴールになった。
町田は攻撃に転じるとサイドハーフがスピーティーに高い位置を取り、東京Vのウイングバックが下がって対応すると、町田のサイドバックが空いてくる。逆に東京Vが前に出ていくと町田のサイドバックが東京Vのウイングバックをマークして、町田のサイドハーフが自由になる。このかみ合わせのズレをどう埋めてくか。町田の先制ゴールはまさにこの形から鈴木がフリーになって生まれただけに、試合のポイントの一つになった。
後半開始から右ウイングバックに松橋優安を投入した東京Vが押し込み始めると、町田もすかさず57分に3人を交代させ、望月ヘンリー海輝を右サイドバックに、藤本一輝を左サイドハーフに入れつつ、ナ・サンホを右サイドハーフに回して対応する。
66分には東京Vが中盤に見木友哉を入れて直後の68分にその見木のミドルシュートで脅かせば、町田も72分にエリキを最前線に投入して追加点のチャンスを伺う。東京Vは前線に木村勇大を、中盤に負傷から復帰の森田晃樹を加えて優勢をゴールに結びつけようとする。
押し込む東京Vの攻撃を町田がクリア、再び東京Vが押し込んで、という時間を経て、終盤に攻め合いになってどんどん白熱していった。町田が88分に右からのエリキの折り返しに藤尾が突っ込んだが、林尚輝がスライディグでクリア、1分後には東京Vが森田の鮮やかなスルーパスで右サイドを割って、松橋が折り返し山見大登がスライディングシュートを放つが、GK谷晃生がブロックするなど、最後まで緊迫のバトルが続いた。
そして、最後に笑ったのは、逃げ切った町田。黒田剛監督が「2点目を取ることよりも1点を死守していくことが次につながるということを選手がとらえて実行してくれた」と称えて、最後まで揺るがない強さを見せつけた。