7月5日の明治安田J1リーグ第22節で、サンフレッチェ広島とヴィッセル神戸が対戦した。前節終了時点で7位の広島と4位の神戸、首位追撃を狙うチーム同士の一戦は、先制した神戸が一度は追い付かれたものの、後半の2得点で突き放して勝利。アウェーで勝って前節に続く連勝を飾り、6日に試合を行なう首位のFC町田ゼルビアとの勝ち点差を縮めた。

上写真=神戸は11分、大迫が豪快なヘディングシュートを決めて先制(写真◎J.LEAGUE)

■2024年7月5日 J1リーグ第22節(@Eピース:観衆25,119人)
広島 1-3 神戸
 得点:(広)新井直人
    (神)大迫勇也、広瀬陸斗、山口蛍

後半の2得点で突き放す

 立ち上がりから両チームがゴール前でのチャンスを多く作る中、11分に神戸が均衡を破る。FW大迫がポストワークから右サイドに展開、パスを受けたFW武藤がピンポイントのセンタリングを送り、大迫がヘッドでたたき込んだ。

 だが広島も17分、MF東がFWソティリウとのパス交換でエリア内左サイドに侵入してセンタリング。ファーサイドでMF新井が合わせたヘッドは浮き球となり、神戸GK前川の頭上を越えて逆サイドに決まって同点とした。

 広島は飲水タイムを挟んで35分、左からのセンタリングをソティリウがヘッドで合わせたが、わずかに右へ。39分にはMF満田がエリア外中央からミドルシュートを放ったが、これも左に外れて決まらなかった。

 1-1で迎えた後半、前半と同じく神戸が立ち上がりに得点を奪う。52分、右CKのチャンスは広島のソティリウにクリアされたが、ボールの行く手にいたMF扇原がヘッドでゴール前へ送ると、ラインを上げていた広島の最終ラインをすり抜けたFW広瀬が右足で合わせた。

 さらに神戸は飲水タイムが終わった直後の71分、相手の攻撃をはね返して鮮やかなカウンター。大迫のポストワークから右サイドでパスを受けた武藤がセンタリング、最後はMF山口が仕上げてリードを広げた。

 広島は73分に3人を同時に交代で送り込み、78分には交代枠を使い切ったが、82分にMFエゼキエウが座り込んでプレー続行不可能となり、担架で運び出されて10人での戦いを余儀なくされる。それでも懸命の反撃でゴールに迫ったが、神戸守備陣がはね返してリードを守り切った。

 神戸は勝ち点を40に伸ばし、6日に試合を行なう勝ち点43の首位・町田にプレッシャーをかける勝利。吉田孝行監督は「今日は勝つと負けるでは今後の順位も変わってくる、本当に大事な一戦だった」としつつ、「Jリーグは上と下の差もほとんどないし、苦しい試合は毎試合続くと思う。そう試合を毎週、物にできるようにみんなで頑張っていきたい」と今後を見据えていた。

取材◎石倉利英

▼出場メンバー
・広島:GK大迫敬介、DF塩谷司(78分:茶島雄介)、中野就斗、佐々木翔、MF新井直人、満田誠、松本泰志(73分:中島洋太朗)、東俊希、FW加藤陸次樹(73分:ドウグラス・ヴィエイラ)、大橋祐紀(73分:エゼキエウ)、ピエロス・ソティリウ(64分:マルコス・ジュニオール)

・神戸:GK前川黛也、DF初瀬亮(86分:飯野七聖)、山川哲史、マテウス・トゥーレル、本多勇喜、MF扇原貴宏(86分:井手口陽介)、山口蛍、井出遥也(61分:佐々木大樹)、広瀬陸斗(75分:ジェアン・パトリッキ)、FW武藤嘉紀、大迫勇也(75分:菊池流帆)