明治安田J1リーグ第16節が26日、各地が開催された。東京・味の素スタジアムでは8位のFC東京が4位のガンバ大阪と対戦。2チームの勝ち点差は2ポイントとわずかで結果いかんで順位逆転も可能な試合だった。結果は、アウェーのG大阪が1−0で勝利。上位争いを継続することになった。

上写真=攻守に躍動し、チームの勝利に貢献したG大阪の宇佐美貴史(写真◎J.LEAGUE)

■2024年5月26日 J1第16節(観衆27,972人/@味スタ)
 FC東京 0ー1 G大阪
 得点:(G)山田康太

またも無失点! G大阪は5試合負けなし

 最初のビッグチャンスはFC東京に訪れた。敵陣、右サイド深い位置に出たボールにD・オリヴェイラが反応。G大阪の福岡との競り合いに勝って収めると、ボックス内からクロスを供給した。

 左サイドから中央へ出張ってきた俵積田がシュート。ゴール中央に蹴り込んだが、G大阪の守護神、一森がストップ。D・オリヴェイラがシュートではなくクロスに切り替えた瞬間に体勢を変え、抜群の反応で防いでみせた。

 G大阪のビッグチャンスは16分。ワンタッチパスの連鎖が効いた。GK一森から左サイドバックの黒川へボールが送られると、そこから流れるようなパスワークがスタートする。黒川がグラウンダーの縦パスを送り、トップ位置から下がってきた宇佐美がダイレクトで前線へ。左サイドハーフのウェルトンがこれに反応し、マークに付いていた長友を弾き飛ばしてドリブルで突進。ゴール正面まで到達したところでフリーの山下へパスを送った。

 このパスがやや精度を欠いたため、GKと1対1ながらも角度が狭くなり、山下のシュートは枠をとらえることができなかったが、チームの持ち味を存分に生かして創出したチャンスだった。

 42分、今度はFC東京の守護神、野澤がチームを救う。敵陣での左CKの流れから長友がミドルシュートを狙ったが、G大阪守備陣にブロックされる。その跳ね返りをG大阪の韋駄天、山下に拾われ、ピンチを迎えることになった。

 佳史扶と高が追走するも振り切られ、独走を許すと、シュートに持ち込まれてしまう。しかし、野澤は冷静だった。どっしりと構え、相手がシュートを打つ瞬間を見極める。鋭い反応でボールを弾き、失点を免れた。前半はそのまま0−0で終了。勝負の行方は後半に委ねられた。

 後半最初にホットゾーンとなったのはFC東京の左サイドだ。ウイングの俵積田、左サイドバックの佳史扶、そこにトップ下の荒木が絡んでチャンスを生み出していく。後半立ち上がりの10分間のうちに3度クロスを供給し、俵積田はシュートも放ってゴールに迫った。それでもネットは揺れず、一方でアウェーのG大阪も坂本や宇佐美が65分すぎから立て続けにシュートを放ち、ゴールを目指した。

 試合時間、残り15分を切り、FC東京は選手交代で最後のギアを入れる。佳史扶に代えてジャジャ・シルバ、D・オリヴェイラに代えて松木を投入。攻撃の活性化を図った。

 ただ、2枚替えがすぐに効果を発揮したのはG大阪の方だった。84分、山下に代えて倉田、坂本に山田をピッチに送ったが、その1分後、山田がゴールをねじ込んだ。ネタ・ラヴィから右サイドのウェルトンへサイドを変えるボールが送られると、ボックスのすぐ内側にポジションを取った山田にパスが出る。山田は左足でワントラップするやすぐに右足を振り抜いた。

 VARチェックを経てゴールが認められると、G大阪のサポーターから歓声が上がる。今季、移籍してきた山田はこれが加入後、初ゴール。勝利をもたらす貴重な一発になった。
 
 アディショナルタイムにはエンリケ・トレヴィザンがシュートをねじ込んだが、オフサイドの判定で取り消しに。結局、試合はそのままG大阪の1−0で終了。結果、G大阪は4位キープで上位争いを継続し、FC東京は上位浮上の機会を逸することになった。

▼出場メンバー
・FC東京◎GK野澤大志ブランドン、DF長友佑都、木本恭生、エンリケ・トレヴィザン、バングーナガンデ佳史扶(78分:ジャジャ・シルバ)、MF高宇洋、小泉慶、荒木遼太郎(63分:仲川輝人)、FW安斎颯馬、ディエゴ・オリヴェイラ(78分:松木玖生)、俵積田晃太(63分:遠藤渓太)

・G大阪◎GK一森純、DF半田陸、中谷進之介、福岡将太、黒川圭介、MFダワン(72分:ネタ・ラヴィ)、鈴木徳真、山下諒也(84分:倉田秋)、坂本一彩(84分:坂本一彩)、ウェルトン(90+2分: 唐山翔自)、FW宇佐美貴史(90+2分:松田陸)