明治安田J1リーグ第15節が19日に行われ、味の素スタジアムではFC東京と横浜F・マリノスが対戦した。前半、横浜FMがナム・テヒの鮮やかなミドルシュートで先制したが、後半、長友佑都がネットを揺らし、FC東京がドローに持ち込んだ。

上写真=同点ゴールを決めたFC東京の長友佑都(写真◎J.LEAGUE)

■2024年5月19日 J1リーグ第15節(観衆30,411人/@味スタ)
FC東京 1−1 横浜FM
得点:(F)長友佑都
   (横)ナム・テヒ

終盤は怒とうの攻め合いも決勝点は生まれず

 一瞬のスキを逃さず、先制したのは敵地に乗り込んだ横浜FMだった。したたかにネットを揺らしてみせる。

 25分、FC東京陣内、左サイドのスローインの場面で長友が投げ入れたボールを高が受けて、逆サイドに展開された。だが、そのパスが弱いと見るや、右サイドバックの松原が前に出てカットに成功。そのまま複数人が絡んでゴール前まで運ぶと、最後はエウベルのパスを受けたナム・テヒがボックスのすぐ外からシュートを放つ。右足でカーブをかけたボールがゴールを射抜いた。

 FC東京も左ウイングの俵積田の仕掛けから何度もチャンスを生み出した。ただ、前半はそのチャンスを生かせず、ゴールは遠いまま。一方で横浜FMはCB渡邊泰が上島と交錯して脳震盪により交代するアクシデントはあったものの、集中した守備を継続。リードで最初の45分を終えた。

 後半、攻めるしかないFC東京がアグレッシブなプレーでペースを握る。前半の終盤からマンマーク気味に守り方を修正し、徐々に盛り返す気配を示していたが、個の力をピッチで示す俵積田の左サイドで優位に立つと、55分にはついに同点ゴールをスコアする。俵積田のクロスは横浜FM守備陣にクリアされたが、ボックス内でこぼれ球を素早く拾った松木が右側へ横パスを出す。

 これに長友が反応し、右足でダイレクトにボールをとらえると、鋭いシュートがゴール右に突き刺さった。

 長友の今季2点目となる貴重な同点弾で勢いづいたFC東京は、終盤にかけて重心を前に傾けて相手ゴールに迫っていった。対する横浜FMも25日にUAEで行われるアル・アインとのACL決勝第2戦に向けて弾みをつけたいところで、速攻を繰り出していく。

 スコアが動かない時間が10分あまり続くと、FC東京がカードを積極的にカードを切っていった。66分に俵積田に代えて仲川を投入。さらに76分に荒木に代えてディエゴ・オリヴェイラ、安斎に代えてジャジャ・シルバを投入する2枚替えでスコアを動かしにかかる。

 試合は残り15分を切り、ますます攻防は激しさを増した。横浜FMは宮市、植中が決定機を迎えたが、FC東京のGK野澤の好守もあってゴールは決まらず。そしてFC東京もアディショナルタイムに仲川がビッグチャンスを迎えたが、シュートは枠を逸れた。

 最後の最後まで勝利を目指したものの、勝敗を分ける決勝点は生まれず。試合は1−1のドローに終わり、勝ち点1を分け合うことになった。

▼出場メンバー
・FC東京◎GK野澤大志ブランドン、DF長友佑都、木本恭生、エンリケ・トレヴィザン、バングーナガンデ佳史扶、MF高宇洋(88分:原川力)、小泉慶、松木玖生(88分:白井康介)、FW安斎颯馬(76分:ジャジャ・シルバ)、荒木遼太郎(76分:ディエゴ・オリヴェイラ)、俵積田晃太(66分:仲川輝人)

・横浜FM◎GKポープ・ウィリアム、DF松原健、上島拓巳、渡邊泰基(37分:山根陸)、永戸勝也、MF渡辺皓太、喜田拓也、ナム・テヒ(46分:榊原彗悟)、FWヤン・マテウス(62分:井上健太)、アンデルソン・ロペス(62分:植中朝日)、エウベル(62分:宮市亮)