北海道コンサドーレ札幌は11日、川崎フロンターレに0−3で敗れ、最下位(20位)から脱することはできなかった。先発フル出場した浅野雄也は、苦境に立つチームを好転させるために「嫌なイメージを捨てること」、「攻撃の質を高めること」が必要だと話した。

上写真=川崎F戦に先発出場した浅野雄也。勝利をつかむことはできなかった(写真◎J.LEAGUE)

嫌なイメージを捨てることがはじめの一歩

 川崎Fに敗れ、13試合を終えて、わずか1勝しか挙げられず、札幌は最下位に低迷している。5つの引き分けがあるとはいえ、ここまでに獲得した勝ち点は8で、17位の湘南、18位の鳥栖との勝ち点差は3ポイントとなり、1勝してもポイントだけでは降格圏から抜け出せない状況になった。

 川崎F戦も試合の入り自体は悪くなかった。サイドチェンジを交えながら攻め筋を探り、複数人が絡んでゴールに迫っている。惜しむらくはペースを握っていた序盤にネットを揺らせなかったことだ。チャンスを得点につなげられず、相手に流れを持っていかれてしまった。

 チーム状況を好転させるために何が必要なのか。試合後、浅野雄也は言った。

「(攻撃に関して言えば)何か一つではなく、全体的にゴールの質というか、攻撃の質を全部高めていかないとダメだと思います。『惜しかったね』じゃダメだし、チャンスがあったから良かったというのも違う。やっぱり結果だと思うし、仕留めきれなかったというのが今のチームの現状」

 シャドーのポジションで先発し、幅広く動いてゴールを目指した浅野は、自戒を込めて言った。現状を受け止めて、攻撃についてもすべてを見直すことが必要だと強調した。

「確かに自分たちのサッカーはできているとは思います。でもそれで勝てていない。失点したときには、やっぱり負のオーラがどうしても出ちゃっていると思う。本当にイチからしっかり切り替えて、その嫌なイメージも全部捨てる状態になることが、はじめの一歩になる」

 川崎Fは先制を許すことになったが、札幌はそれまでの7試合すべてで先制に成功していた。だが、そのままゲームをクローズさせることができず、失点を機に腰の引けたプレーが増え、ミスがミスを呼んだ結果、ポイントを失っている。10節の湘南戦で3点差を追いつかれた試合は象徴的だった。

 今季のJ1は3チームが降格する厳しいレギュレーションだ。リーグ戦はまだ3分の1を消化したばかりではあるものの、悠長に構えていられる余裕はない。

「得点することでこのチームは乗っていけるチームだと思う。それが魅力でもあるので、ゴールを奪っていきたい」

 自分は自分の役割をしっかり全うすることでチームを浮上させたいと話した浅野。今季は2得点1アシストを記録しているが、数字を残した試合はいずれも引き分けに終わっている。次こそ勝利を呼び込むゴールを決めたいところ。

 札幌は次戦(15日)、ホームで15位の磐田と対戦する。