上写真＝家長昭博（右）がダメ押しの3点目。川崎Fが6試合ぶりの勝利を手にした（写真◎J.LEAGUE）
■2024年5月3日 J1リーグ第11節（＠U等々力／観衆23,457人）
川崎F 3-1 浦和
得点:（川）脇坂泰斗、佐々木旭、家長昭博
（浦）大久保智明
佐々木と家長は今季初ゴール
ともに技術を全面に押し出す戦いを仕掛ける川崎フロンターレと浦和レッズの対戦は、見どころがあちこちに散りばめられた好ゲームになった。
先手を取ったのは川崎F。18分に右サイドのスローインからバフェティンビ・ゴミスがペナルティーエリアの中で収め、右に預けると家長昭博がセンタリング、遠野大弥のヘディングシュートは相手に当たったが、こぼれたボールを脇坂泰斗が鋭く蹴り込んだ。実に6試合ぶりの先制点だ。
浦和が追いついたのは35分。サミュエル・グスタフソンのパスを中央で受けた中島翔哉が左へ横移動、一度止まって相手と正対すると、右から走り込んでくる赤いユニフォームが見えた。右足でクロスを送ると、大久保智明がヘッドで押し込んで、振り出しに戻した。
一進一退の攻防はこのあとも続く。先に歓喜に沸いたのは川崎Fで、後半開始間もない49分に驚きのゴールが飛び出した。
ピッチ中央でゴミスがアレクサンダー・ショルツの強烈なプレッシャーを受け止めてキープしてから落とすと、橘田がワンタッチで左前へ。ここに出てきたのがセンターバックの佐々木旭だ。そのまま持ち運んで中に進路を変えると、ペナルティーエリアに入ったところで右足で力強くボールをたたいて強烈なシュートをゴール左に決めてみせた。これが佐々木の今季初ゴールとなった。
このあともお互いに攻め合う姿勢を崩さなかったことが、さらに魅力的な試合にした。
55分に右からの家長昭博のクロスにマルシーニョが合わせながらわずかに左に切れれば、60分には浦和が右から崩し、大久保の横パスに安居海渡がダイレクトで合わせ、しかしこれはDFに当たってわずか左に切れていく。
それぞれ交代選手を次々に送り込むと、さらにパワーアップ。74分に浦和が左CKのこぼれ球を渡邊凌磨がダイレクトで強烈なシュート、ブレ球になってGK上福元直人の手を弾くが、不運にも右ポストに阻まれた。83分には川崎Fがカウンター、家長が持ち運び左の山内日向汰に預けるとカットイン、その背中側にヒールで残したボールを家長が左足で狙うが、浦和は大久保が間一髪でブロックする。86分には橘田が右サイドにロングパス、抜け出した山田新が角度のないところから狙ったものの、GK西川周作がセーブする。
場内のボルテージもチャンスとピンチのたびにぐんぐん上がる最高のムードの中での試合は、最後に川崎Fがもう一度、歓喜の瞬間を迎えた。中央から橘田が左前に送ると山田が抜け出し、左から折り返して逆サイドから入ってきた家長が突き刺して自身今季初ゴール、3-1として締めくくった。
川崎Fはこれが6試合ぶりの勝利。上昇のきっかけになりそうな充実の勝利となった。