今季J1に復帰を果たし、現在12位からの上位進出をうかがうジュビロ磐田のキーパーソンが大卒4年目のCB森岡陸だ。4月27日のJ1・第10節では首位のFC町田ゼルビアをゼロ封する立役者の1人となった。5月3日のJ1第11節(@日産)でも、横浜F・マリノスが誇る攻撃陣の完封に自信をのぞかせる。

「マリノスをゼロに抑えたい」

 大学を卒業して磐田に入団し、4年目のシーズンとなる。しかし、負傷も重なりフルシーズンで戦うことができなかった。クラブの功労者の一人である大井健太郎が長らく背負った3番を受け継ぎ、クラブの期待が大きくうかがえた昨年は2試合の出場に留まってしまった。そういった苦しい時期もあったからこそ、今年にかける思いは強い。

「あこがれの大井健太郎さんが背負った番号なので、絶対活躍しなければいけないと思っています。今日のプレーも、多分健太郎さんは見てくれていたと思うんですけど、良い姿を見せられたのかなと」

 責任が伴う番号を背負い、前任者をほうふつさせるようなプレーも見せた森岡だが、目線は次に向いている。

「マリノスも強い相手で、チームのスタイルがあるけど、そこもゼロに抑えないといけない」

 リーグ屈指の攻撃力を誇る相手に対して、生え抜きの逸材がどれだけのパフォーマンスを見せられるか。真価が問われる一戦となる。

取材・構成◎竹中玲央奈(フリーライター)