今季J1に復帰を果たし、現在12位からの上位進出をうかがうジュビロ磐田のキーパーソンが大卒4年目のCB森岡陸だ。4月27日のJ1・第10節では首位のFC町田ゼルビアをゼロ封する立役者の1人となった。5月3日のJ1第11節(@日産)でも、横浜F・マリノスが誇る攻撃陣の完封に自信をのぞかせる。

上写真=町田戦で好パフォーマンスを発揮したCB森岡陸(写真◎J.LEAGUE)

押される展開で際立つ特長

 首位・町田をホームに迎えた磐田が完封勝利を収めた。4月27日、J1リーグ第10節のことだ。町田にとってはシーズン初の無得点試合で、昨年のJ2同カードで1分け1敗だった磐田は、カテゴリーを上げての再戦でリベンジを果たした形になる。

 2点ビハインドで迎えた後半のアディショナルタイムが10分と表示されたときには、クロスボール攻勢で優位に立っていた町田が少なくとも1点は返すだろうと思ったのが本音である。しかし、95分に川島永嗣が見せたスーパーセーブを含め、磐田の守備陣の気迫あふれる守備がそれを上回った。

 中でも目を引いたのがアカデミー出身で大卒4年目のCB・森岡陸だ。オ・セフンとミッチェル・デュークという長身FW2人を相手に、ボックス内の空中戦の強さや寄せの速さを示し続け、クリーンシートの立役者となった。

「自分の武器を生かす絶好の相手だった」

 守備の貢献度について聞かれた森岡は、開口一番にこう答えた。ここでいう強みとは目の前の相手とファイトする姿勢や、抜群の身体能力からのヘディングやシュートブロックのことであろう。大学時代から彼の体の伸びや滞空時間の長いヘディングは文字どおり日本人離れしている印象で、押される展開ほど際立つ。

 2019年に法政大学が天皇杯でJクラブをなぎ倒しベスト16まで進んだときも森岡はレギュラーとしてCBを務めており、J1のガンバ大阪を2―0で倒した試合でも名だたるアタッカーを封じた。CKからヘディングでゴールも奪っている。その試合のインパクトの大きさもあるが、相手が強くなればなるほど自身の持つ能力が引き出されて活躍する。そんなイメージが強かったのだが、まさにこの町田戦ではその真価を発揮したと言えよう。

 特に13センチの身長差があるオ・セフンを後半はほぼ封じ、町田が徹底してクロスを入れ込んできた後半アディショナルタイムには、ドレシェヴィッチの頭2つ上からヘディングでクリアをする場面もあった。「自分はジャンプ力があるので、先に飛んだら相手も競れなくなる。そこで叩くというのを意識していたのも、勝てた要因かなと」。当該のシーンを振り返って森岡は言う。

守備陣を支える川島の声掛け

 2点を先制しながら同点に追いつかれた福岡戦と「絶対に同じようにはさせない」(森岡)という強い意志を持っていたようだが、特に終盤の守備にその思いは表れていたのも印象的だ。そして、この勝利は森岡にとっても大きな自信につながったようだ。

「オ・セフン選手は本当に強くて。前半はなかなか勝ったり負けたりだったんですけど、後半はほとんど跳ね返せたので、自分の良さが出たかなと。でも思った以上に(蹴ってきて)、本当にあれだけ徹底してくると、やっぱり強いなと思ったし、これが首位のチームなんだなと感じました。ただ、その中でも自分たちのこのチーム失点で抑えたってことは本当に自信になります」

 ビルドアップについては「まだ足りてない」と反省の弁を付け加えるが、やはりDFは守れてナンボ。この日の森岡のプレーは称賛に値するだろう。

 そして、この森岡の良さを最後尾から引き出していたGKの存在も大きい。

「(川島)永嗣さんは苦しい時間でもずっと声を出してくれているし、僕たちが跳ね返したりしてもすぐ声を出して『ナイス!ナイス!』と言ってくれて。本当に僕たちも勇気づけられるし、次のプレーも頑張ろうと思えます。いてくれるだけで全然違う。セービングのところもそうですけど、精神的にすごくありがたい。この試合ですごく感じました」