上写真=ポープ・ウィリアムがPKを止めて吠える!(写真◎Getty Images)
■2024年4月24日 AFCチャンピオンズリーグ準決勝第2戦(@横浜国際)
横浜FM 3-2 蔚山現代(韓国)
3 合計 3(5 PK 4)
得点:(横)植中朝日2、アンデルソン・ロペス
(蔚)マテウス・サレス、ダリヤン・ボヤニッチ
「マリノスファミリー全員でつかみ取った勝利」
4人ずつが成功して、5人目でPKスポットに立つのは蔚山のキム・ミヌ。ゴールに立つのは横浜F・マリノスのGKポープ・ウィリアム。
長い助走から、キムが左足で向かって右を狙った。ポープ・ウィリアムはそのコースが分かっていたかのように左に跳んだ。止めた!
「体が(疲労で)ギリギリだったので、駆け引きではなく自分を信じて、決めた方向に思い切り跳ぼうと、それだけですね」
アウェーの第1戦は0-1で惜敗。第2戦となったこの試合では、植中朝日が13分と早々に決めれば、21分にはアンデルソン・ロペス、30分にも再び植中が決めて、一気に逆転、そして突き放すことに成功した。余裕すら漂っていた。
ところが、なぜか暗転していく。35分にマテウス・サレス、42分にダリヤン・ボヤニッチにゴールを割られ、2試合合計で3-3に追いつかれてしまった。勢いをすっかり相手に持っていかれた。しかも、39分には上島拓巳が退場処分。
ここから、長い長い戦いが始まる。まさにポープ・ウィリアムの時間だった。120分を通して、飛んできたシュートは40本、そのうち枠内が15本。強い雨が降る、GKにとっては最悪のコンディションだったが、止めて止めて、また止めた。
「早い時間に自分のチームで退場してしまって、本当に耐えるという、もう本当にそれだけというか。自分のところでなんとかそれ以上、失点しないことを意識していました」
なんとか粘り続けてタイスコアを維持して、PK戦へ。5人目のキム・ミヌを止めたあと、横浜FMはエドゥアルドが確実に決めて、蔚山を振り切った。クラブ初の決勝進出だ。
「チームのみんなも本当にハードワークしてくれて、僕だけじゃなくて本当に全員の力で、サポーターの皆さんの力も含めて、本当にマリノスファミリー全員でつかみ取った勝利だと思います」
決勝はホーム・アンド・アウェー方式で行われ、まずは5月11日、横浜国際総合競技場で第1戦が行われる。第2戦は5月25日のアウェーゲーム。相手は、UAEのアルアイン。
「ここまで来たら、マリノスがこれまでまだ取っていないタイトルで、僕自身も初めてですし、このクラブのために自分の力を発揮できるように、もう一度いい準備をしたい」
ファイナルでもその頼もしいセーブを見せて、輝くカップをつかみ取る。