明治安田生命J1リーグ第9節が21日に行われ、東京・味の素スタジアムではFC東京とFC町田ゼルビアが対戦。前半からスコアが動き、FC東京が1点、町田が2点を記録すると、そのまま2−1でアウェーの町田が勝利。首位・セレッソ大阪が敗れ、2位・広島が引き分けたため、町田が再び首位に浮上した。

上写真=常に先手を取る戦いぶりで町田はダービーで勝利を収めた(写真◎J.LEAGUE)

■2024年4月21日 J1第9節(@味スタ/観衆30,811人)
 FC東京 1−2 町田
 得点::(東)小柏剛
     (町)ナ・サンホ、オ・セフン

先手を取る選手交代と試合運び

 先制したのは町田だ。14分のことだった。左CKで仙頭が蹴ったボールをファーで待ち構えていたナ・サンホが右足ボレー。ゴール左に蹴り込む美しい一発で早速、ネットを揺らした。

 FC東京も黙っていない。その7分後。佳史扶が浮き球をコントロールしてボックス内に進入しようとしたが、そのボールが町田のCBドレシェヴィッチの左手に当たってPKの判定。これを今季加入の小柏が決めて1−1の同点に追いついた。

 球際の攻防。攻守の切り替え。エアバトル。東京をホームとするチーム同士のダービーマッチは時間の経過とともにますますヒートアップしていった。

 25分、町田が再び先手を取る。狙っていたプレーをピッチに描いてみせた。右サイドバックの望月が高い位置を取ってドレシェヴィッチからロングボールを引き出し、FC東京の左サイドバック、佳史扶の背後を突く。フリーで抜け出して折り返しのボールを入れると、オ・セフンが反応。見事なダイビングヘッドを決めた。

 シンプルだが、選手が互いのプレー意図を理解し、ベストな選択を続ける町田の強みが凝縮したようなゴール。前半はアウェーチームが2−1とリードして終えた。

 後半、町田は先手先手の選手交代でペースを渡さない。FC東京も65分にジャジャ・シルバ、73分に原川、佐藤を投入し、攻撃の活性化を図るがピッチ大きな変化を生み出すことはできず。試合はそのまま2−1で町田が勝利。望月の右サイドバック起用など、FC東京のスピードとサイド攻撃を考慮した町田の選手起用も光った。

 前日、前節終了時点で首位だった広島が札幌と引き分け、2位だったセレッソ大阪が同時刻に行われていた名古屋戦に敗れたため、勝ち点3を積み上げた3位・町田が再び首位に浮上(勝ち点19)。連敗をしっかり回避し、改めて地力を示す結果となった。

▼出場メンバー
・FC東京◎GK波多野豪、DF白井康介、土肥幹太、エンリケ・トレヴィザン、バングーナガンデ佳史扶(88分:長友佑都)、MF高宇洋(73分:原川力)、小泉慶、小柏剛(65分:ジャジャ・シルバ)、FW遠藤渓太、仲川輝人、俵積田晃太(73分:佐藤龍之介)

・町田◎GK谷晃生、DF望月ヘンリー海輝、ドレシェヴィッチ、昌子源、林幸多郎、MF髙橋大悟(46分:バスケス・バイロン)、宇野禅斗、仙頭啓矢(71分:安井拓也)、藤本一輝、FWナ・サンホ(61分:荒木駿太)、オ・セフン(71分:ミッチェル・デューク)