東京ヴェルディは13日、東京・味の素スタジアムでFC東京と対戦した。16年ぶりにJ1の舞台で実現した東京ダービーだったが、東京Vは前半に2点をリードしながら後半に追いつかれて、勝ち切ることができなかった。魅力あるサッカーを見せながら終盤に失点するケースが多いのはなぜなのか?

上写真=2点目を鮮やかなボレーで決めた東京Vの染野唯月(写真◎L.LEAGUE)

2点差を守りきれず悔しいドロー

 東京ヴェルディは染野唯月の鮮やかなボレーシュートで前半のうちに2点目を奪い、43分にはFC東京の安斎颯馬が2枚目のイエローカードを受けて退場となったこともあり、勝利に近づいたと思われた。ところが、後半10人で戦う相手から追加点を奪えず、終盤にまさかの2失点を喫して2―2の引き分けに持ち込まれた。

 掌中にあった勝ち点3を失った城福浩監督は試合後の会見で「悔しい思いをさせました。申し訳ないです」と、まずファン・サポーターに対して謝罪を口にした。記者からの質問を答える中で「このチームはやはり選手層を厚くしていかないといけないということを痛感しています。選手が変わったら落ち着きがなくなる、というような状況を変えていかないと、ゲームの終盤でやはりこういった思いをするのを繰り返しています。我々の選手層のところを上げていけるかは、私の手腕が問われている」と険しい表情で敗因を語った。

 ディフェンスリーダーの谷口栄斗が前半のうちに負傷退場し、代わってベンチでは唯一のDF登録だった山越康平がピッチに立ったのだが、その山越のミスからFC東京の1点目が生まれて流れが大きく変わった。そもそも負傷などもあって戦力となるDFの絶対数が足りず、開幕からCBは谷口と林尚輝がここまですべてフル出場。サイドバックも宮原和也と深澤大輝が出場できない試合では本来CBの山越やMFの稲見哲行が務める苦しい台所事情だった。この日の失点は、ある意味でそのつけが回ってきたとも言える。

 今シーズン、開幕から3試合で終了間際に追い付かれ、あるいは決勝点を奪われて勝てる試合を引き分け、引き分けられる試合を落とすことを繰り返した。4節のアルビレックス新潟戦で1-2とリードされた試合を追い付き、続く京都サンガ戦でも0-2のビハインドからアディショナルタイムに追い付いた。さらに6節の湘南ベルマーレ戦では前半に先行されながら終盤に逆転して初勝利をつかみ、良い流れを引き寄せた。

 しかし、7節の柏レイソル戦では再び前半のリードを守れず、後半に押し込まれて追い付かれている。16年ぶりにJ1の舞台で実現したこの日の東京ダービーでは、今季初めて2点のリードを奪い、さらに相手が退場者を出す有利な展開となりながら、勝利を収めることができなかった。

 城福監督が常々口にする「腰の引けたプレーはしたくない」「相手陣内でサッカーをする」という前向きな姿勢を今季のヴェルディは体現してきた。アグレッシブに前へ向かい、つなぐべきところは恐れずにつなぐサッカーを見せている。そのプレーは高く評価できるもので、なりふり構わず勝利を目指すサッカーとは一線を画し、内容も同時に求める点は見る者を引きつけている。

 それでも、そのサッカーを90分続けることは至難の業だ。そのことが各試合で、終盤のプレーにつながっている点は否定できない。選手層という根本的な問題もさることながら、これだけ同じような結果を繰り返しているのだから、90分の中でゲームをコントロールすることに注力することも必要だろう。