「多摩川クラシコ」でトンネル抜けた! 3月30日、川崎フロンターレがFC東京を迎えた一戦で、34分に脇坂泰斗が決めた先制ゴールは、三浦颯太が演出したものだった。今季から加わったスピード豊かな左サイドバックが、「前へ」の意識で勝負を仕掛けた。

上写真=三浦颯太は自慢のスピードで先制点をお膳立てしてみせた(写真◎J.LEAGUE)

■2024年3月30日 J1リーグ第5節(@U等々力/観衆22,543人)
川崎F 3-0 FC東京
得点:(川)脇坂泰斗、山田新、橘田健人

「自分の得意な位置で仕掛けることができました」

 川崎フロンターレが連敗を抜け出したきっかけは、三浦颯太の風のような突破だ。34分、左サイドで受けて、日本代表に復帰した長友佑都と対峙すると、迷わず縦に勝負。長友が伸ばした足の下を抜いてセンタリングを送った。

 これが木本恭生が出した足に当たり、左ポストで跳ね返ったボールを脇坂泰斗が押し込んだ。待望の先制ゴールはこうして生まれた。

「今日は前に前にというところを意識して、逆サイドのクロスにも入っていく意識でやっていました。その結果、自分の得意な位置で仕掛けることができました」

 ここまで3連敗。1勝3敗でまさかの15位という順位に甘んじているわけにはいかなかった。チームで逆襲の牙を磨き続けた結果が、前への意識だった。

「そして、狙い通りの形ではなかったですけど、最後はやすくん(脇坂泰斗)が詰めてくれて、いい時間での先制点だったと思います」

 もちろん、相手もあることだから、むやみに意識だけ「前に」と急いてはリスクばかりが増えていく。そこをどうコントロールしたのか。

「仲川(輝人)選手がピン留めしようとしてきたところを怖がらずに、自分の後ろに(仲川を)置いても(高井)幸大と一緒に共有して見ながらやっていました。自分もなるべく後ろではなくて前の相手にアタックすることを練習でもやってきて、サイドに入ったときには両サイドとも強度が出せて、そこからいい攻撃ができたと思います」

 橘田健人と瀬古樹が中盤の底に2枚並ぶ立ち位置で、中盤に重みをもたらしたことも大きい。これによって、サイドバックはより高い位置でプレーすることができた。その効果が現れた先制ゴールだったのだ。

 3つの連敗とこの貴重な勝利で、再確認できたことがある。

「やっぱりこっちの良さをしっかり出せれば、必ずどんな相手でも通用します」

 ここから中3日で横浜F・マリノス、さらに中3日でFC町田ゼルビアと強敵との連戦が待っている。勝って一気に上昇気流に乗るには絶好のチャンスである。