明治安田J1リーグは第5節を迎え、3月30日には川崎フロンターレとFC東京の「多摩川クラシコ」が行われた。15位と10位という似つかわしくない順位での対戦となったが、FC東京に退場者も出て川崎フロンターレが3-0で押し切って、J1ホーム通算200勝を達成し、連敗を3で止めた。
上写真＝脇坂泰斗が先制ゴール。川崎Fが連敗をストップした（写真◎J.LEAGUE）
■2024年3月30日 J1リーグ第5節（＠U等々力／観衆22,543人）
川崎F 3-0 FC東京
得点：（川）脇坂泰斗、山田新、橘田健人
交代1分でゴール！
「多摩川クラシコ」と名がつく限りは、まず局地戦で負けてはいられない。しかも、3連敗中でまだ1勝しかしていない15位の川崎Fと、1勝2分け1敗で10位のFC東京と、どちらも「らしくない」立場。脱出の契機にしなければならないという強い思いもあった。
だからなのか、序盤はフィジカルバトルの応酬が続いて、どちらもなかなかボールが収まらない。だが、時間の経過とともに形を整えていったのが川崎Fで、先制ゴールで実らせた。
34分、左サイドを三浦颯太が突破して長友佑都に競り勝ち、折り返し。木本恭生が足を伸ばして触ったボールが左ポストに当たったが、そこに詰めていた脇坂泰斗が左足で角度のないところから押し込んで、一歩前に出た。
後半も川崎Fがチャンスを作って押し込みながら、試合を組み立てていった。その流れを決定づけたのは、72分のシーン。裏に抜け出したエリソンが、飛び出してきたGK波多野豪と交錯して倒され、このプレーで波多野が退場に。FC東京は控えGKの野澤大志ブランドンを投入するために、攻撃陣の一角、仲川輝人を下げるしかなかった。
追い打ちをかけるように、川崎Fが追加点。それも、交代で入った2選手がその1分後に2人で決めてみせた。左サイドで受けた山内日向汰が華麗な切り返しで相手を破って折り返すと、ニアに入っていた山田新が押し込んで、83分にリードを広げた。
90＋2分には中央から橘田健人が鋭くゴール右に突き刺して、3-0に。3連敗と苦しんできた川崎Fが、J1通算ホーム200勝という記念の勝利で、ようやくトンネルを抜けだそうとしている。