2月23日の明治安田J1リーグ第1節で、サンフレッチェ広島と浦和レッズが対戦した。広島の新しいホーム、エディオンピースウイング広島(Eピース)での初めての公式戦は、広島の新戦力・大橋祐紀が2得点。GK大迫敬介の好守などで浦和に得点を与えず、完封勝利で好スタートを切った。

上写真=前半に先制点を決めた大橋は55分、鮮やかなヘッドで2点目! 新加入選手の活躍で浦和が完封勝利(写真◎石倉利英)

■2024年2月23日 J1リーグ第1節(@Eピース:観衆27,545人)
広島 2-0 浦和
 得点:(広)大橋祐紀2

シュート数は24本対14本

 今季のJリーグの幕開けを飾る一戦であり、新スタジアム・Eピースの記念すべき初戦。周辺には朝早くから多くのファン・サポーターが詰めかけ、2万7000人を超える観客が熱戦を見守った。

 立ち上がりの6分、浦和はMF小泉がエリア内左サイドから左足で狙う決定機を作ったが、広島GK大迫が好セーブで防ぐ。大迫は25分にもカウンターからのピンチで浦和FW関根のシュートをブロックし、先制点を許さなかった。

 なかなかスコアが動かずに進んだ一戦は、前半終了間際の45分に動く。広島MF川村がエリア外中央から左足でミドルシュート、グラウンダーのボールを浦和GK西川がはじいたこぼれ球を、新加入のMF大橋が蹴り込んで均衡を破った。

 広島は1点をリードして迎えた53分、浦和の最終ラインからのビルドアップに激しくプレッシャーをかけると、浦和MF小泉のコントロールが大きくなったところで奪おうとした大橋が倒され、PKを獲得。FWピエロス・ソティリウがキッカーを務めたが、左に外して追加点を奪えない。

 だが直後の55分、広島は左サイドに流れたFW加藤の折り返しを、ニアサイドに飛び込んだ大橋がヘッド。ファーサイドに決まる鮮やかな一撃で、PK失敗の嫌なムードを振り払う2点目を奪った。

 広島は57分にも大橋がハットトリック達成かという決定機を迎えるなど、敵陣でのプレッシャーで再三ボールを奪って多くのチャンスを作る。だが浦和守備陣も踏ん張り、交代選手の投入で流れを変えようとするものの、得点には至らない。

 浦和は後半アディショナルタイムの90+6分、右CKを交代出場のMF岩尾がヘッドで合わせたが、クロスバーに当たって決まらず。公式記録で広島のシュートが24本、浦和が14本という攻め合いとなった戦いは、広島が完封勝利で2024年のJリーグ最初の勝者となった。

 試合後の会見で広島のミヒャエル・スキッベ監督は「開幕戦にふさわしい、緊迫感のある良い試合だった」とコメント。「まだ初戦ですし、浦和という素晴らしい相手に対して、素晴らしい試合ができたことをうれしく思っている」と喜んでいた。

取材・写真◎石倉利英

▼出場メンバー
・広島:GK大迫敬介、DF塩谷司、荒木隼人、佐々木翔、MF中野就斗、川村拓夢(90+2分:山﨑大地)、東俊希、満田誠、FW加藤陸次樹(82分:松本泰志)、ピエロス・ソティリウ(73分:ドウグラス・ヴィエイラ)、大橋祐紀

・浦和:GK西川周作、DF酒井宏樹、アレクサンダー・ショルツ、マリウス・ホイブラーテン、渡邊凌磨(76分:大畑歩夢)、MF伊藤敦樹(67分:岩尾憲)、サミュエル・グスタフソン、小泉佳穂、FW松尾佑介(82分:中島翔哉)、チアゴ・サンタナ(76分:興梠慎三)、関根貴大(67分:前田直輝)