新生・川崎フロンターレが刻んだ幸先の良いスタートの中心に、オランダ帰りの新戦力がいた。ファンウェルメスケルケン際。2月17日のFUJIFILM SUPER CUP 2024でヴィッセル神戸と対戦し、右サイドバックとして日本で初めて公式戦に出場すると、決勝ゴールも決めて爽やかに喜んだ。

上写真=自らの足で勝ち取ったカップを手に。名刺代わりの一発でタイトルを獲得した(写真◎J.LEAGUE)

■2024年2月17日 FUJIFILM SUPER CUP 2024(観衆52,142人/@国立)
神戸 0-1 川崎F
得点:(川)ファンウェルメスケルケン際

「間違っていないという証明に」

「今日はこの勝利を楽しく分かち合いましょう!」

 試合後のお立ち台で、ゴール裏を埋めたサポーターに向かって爽やかに言葉を届けた。ファンウェルメスケルケン際、日本で堂々のお目見えである。

 オランダのNECナイメヘンから1月に川崎フロンターレに加わって、この日が日本での初めての公式戦。右サイドバックとして先発すると、0-0で折り返した後半開始早々の48分に一躍、スポットライトが当たった。

 右からの瀬古樹のFKをGK前川黛也がはじき、こぼれ球を山口蛍がクリアしたところに右足を出した。ボールが当たって、マテウス・トゥーレルが伸ばした足をかすめてゴールに飛び込んだ。

「こぼれてくるかなというところに来てくれて、ゴールにつながってくれてうれしいです」

 オランダのキャリアで培ってきた予測の力が、いきなり実を結んだのだ。

 すると、ベンチに向かって一直線。新しい仲間と喜びを共有するために、走った。集まったメンバーの中に飛び込んで、笑顔がはじけた。

「試合前から、点を決めたらベンチの方に走ってみんなで分かち合いたいと思っていたんです。本当に取るとは思ってなかったんですけど、取れて、それをできたことは本当にうれしく思います」

 そして、これが決勝点になった。自身は80分までプレーして、「日本デビュー」を最高の形で終えた。

「リーグ戦とタイトルのかかった試合では、雰囲気だったり、やるサッカーも変わってくると思うので、一概にどうとは言えないですけど、でもやっぱり、このメンバーで目指してるサッカーは間違っていないという証明になりました。それが本当にチームとして自信になって、とても良かったなと思います」

 川崎Fは2月13日にAFCチャンピオンズリーグのラウンド16を中国で戦って、帰国してこの試合を戦い、中2日で今度はACLのホームゲーム、さらに週末にはJ1の開幕戦と、いきなりの4連戦だ。この試合もACLから先発メンバー全員を代えて戦ったが、昨季のJ1チャンピオン、ヴィッセル神戸を下してみせた。

 多くの選手やスタッフが入れ替わった「新生フロンターレ」にあって、ファンウェルメスケルケン際のこの日の存在感は、鬼木達監督の言う「全員戦力」の象徴。悲願のACL優勝とJ1リーグ奪回に向けて、これは吉兆である。