10月21日の明治安田生命J1リーグ第30節で、サンフレッチェ広島とセレッソ大阪が対戦した。お互いに前半から相手ゴールに迫ってチャンスは作るものの、なかなか均衡が破れず。両チームのGKの好セーブもあって最後まで得点は生まれず、スコアレスドローに終わった。

上写真=それぞれチャンスを作った広島とC大阪だが、ネットは揺らせず0-0の引き分け(写真◎J.LEAGUE)

■2023年10月21日 J1リーグ第30節(@Eスタ:観衆22,834人)
広島 0-0 C大阪

大迫とキム・ジンヒョンが好セーブ

 この日の広島地方は朝から秋晴れとなったが、気温は公式記録で15・6度とあまり上がらず。エディオンスタジアム広島も日陰だと寒いほどで、本格的な秋の訪れを感じさせる中で試合が進んだ。

 立ち上がりからお互いに敵陣まで進む回数は多いものの、粘り強い守備対応に阻まれるなどして決定機を作るには至らない。両チームを通じて最初の大きなチャンスは20分、C大阪が右サイドから攻め込み、MFジョルディ・クルークスのセンタリングをファーサイドでMFカピシャーバがヘッド。上からたたきつけ、ワンバウンドしたボールがゴール左上をとらえたが、広島GK大迫が俊敏な反応ではじいてCKに逃れた。

 これを機にC大阪がボール支配率を高めるが、広島もゴール前までの侵入は許さない。前半終了間際にはDF塩谷が敵陣でボールを奪ってカウンターに転じ、MF満田がミドルシュートを放つもGKキム・ジンヒョンがセーブ。続けてこぼれ球を拾ったFW加藤のセンタリングを塩谷が左足で合わせたが、再びキム・ジンヒョンがセーブした。

 スコアレスで迎えた後半、立ち上がりはC大阪のペースだったが、スコアは動かない。50分にFW上門が右サイドからセンタリング、MF奥埜が飛び込んで左足で合わせたシュートは上に外れる。53分にはカウンターからFWレオ・セアラがゴールに迫り、最後はフリーとなって右足で狙ったが、GK大迫が左足でセーブした。

 広島もボール奪取後に中盤でノーマークとなっている選手を使い、ゴールに近づくシーンを作るものの、加藤やMFエゼキエウのシュートがGKキム・ジンヒョンに阻まれる。80分にはC大阪MF柴山が右サイドからドリブルでエリア内に侵入、DFを振り切って左足で狙ったが、こちらもGK大迫がセーブした。

 その後も両チームは懸命にゴールをこじ開けようとしたが、最後までスコアは動かなかった。5試合ぶりの無得点でホームでの連勝が4でストップした広島のミヒャエル・スキッベ監督は「お互いに良いチャンスを作り、シュートを打つところまでいけたが、お互いのGKがセーブした。勝てなかったのは非常に残念だが、この1年半の(自分が就任した後の)セレッソ戦は最後の最後で、ラッキーな形で勝ち点3を取れていたことを考えると、今日は0-0でもよかったと思う」とコメント。一方、4試合連続となる無得点に終わったものの、連敗を3で止めたC大阪の小菊昭雄監督は「勝ち切れなくて残念だが、新しい発見もあった。広島相手にクリーンシートで終われたこと、チャンスも決定機も作れたことは、非常にポジティブに感じている」と語った。

取材◎石倉利英 写真◎J.LEAGUE

▼出場メンバー
・広島:GK大迫敬介、DF塩谷司、荒木隼人、佐々木翔、MF中野就斗、川村拓夢、野津田岳人(HT:東俊希)、志知孝明(70分:エゼキエウ)、満田誠、FW加藤陸次樹、ドウグラス・ヴィエイラ(80分:ナッシム・ベン・カリファ)

・C大阪:GKキム・ジンヒョン、DF毎熊晟矢、マテイ・ヨニッチ、鳥海晃司、舩木翔、MF香川真司、ジョルディ・クルークス(75分:新井晴樹)、奥埜博亮、カピシャーバ、FW上門知樹(71分:柴山昌也)、レオ・セアラ