『明治安田Jリーグワールドチャレンジ2023』、横浜F・マリノス対マンチェスター・シティが23日、国立競技場で行われた。試合はJリーグ王者の横浜FMが先制し、追加点も挙げたが、欧州王者がすぐに追いつき、後半にゴールラッシュを実現。5−3でシティが勝利を飾った。

上写真=後半から出場し、2ゴールをスコアしたハーランド(写真◎Getty Images)

■2023年7月23日 明治安田Jリーグワールドチャレンジ2023(@国立/観衆61,618人)
横浜FM 3-5 マンチェスター・C
得点:(横)アンデルソン・ロペス、松原健、井上健太
   (マ)ジョン・ストーンズ、フリアン・アルバレス、アーリング・ハーランド2、ロドリ

後半に地力を示したシティ

 来日から間がなく、チームとして始動したばかりのマンチェスター・シティがコンディション面で難しい状況にあったのは間違いない。その点では、やはりシーズン中の横浜FMに分があった。実際、ボールはシティに握られたが、横浜FMが先制点を手にした。右サイドを突破したアンデルソン・ロペスがそのまま持ち込んでシュート。一度はGKに弾かれたが、こぼれ球を拾って再びシュートを放ち、ネットを揺らした。

 追加点は、ダイナミックな展開からだ。37分、左サイドを突破した永戸のアーリークロスを松原が狙いすまして蹴り込んだ。左サイドバックのクロスを、右サイドバックが決めたという事実は、この試合における横浜FMの攻めの姿勢を示すものだろう。チャンスとあらば、しっかり前に出るらしさが発揮された瞬間でもあった。

 前半のうちに横浜FMは2点のリードを奪右ことに成功したが、そのことで欧州王者が目を覚す。パルマーやマカティーら若い選手を起用し、テスト的な意味合いももちろんあったはずだが、さすがのプレーを見せ始めた。プレーをテンポアップさせると、ボックス右で持ったパルマーが中央へ切れ込みながらウォーカーへヒールパス。ウォーカーがさらに深く持ち込んで折り返すと、アルバレスを経由して、攻め上がっていたCBのストーンズが右足一閃。40分に見事な連係で1点を返した。

 さらに、である。43分には、横浜FMのビルドアップに高い位置から制限をかけて、ミスを誘う。フィリップスのプレスに慌てたGK一森のパスをひっかけ、ボールがアルバレスのもとへこぼれる。これを冷静に流し込み、シティが同点に追いついた。

 2−2の同点で迎えた後半、横浜FMが1人を変更したのに対し、シティはGK以外の10人を変更。ギアを入れ直すと、攻撃の圧力を増す。52分、フォーデンのパスをボックス内で受けたハーランドが一瞬の速さでマーカーを外して左足を振り抜き、ネットを揺らして勝ち越しゴールを刻んだ。

 その後も試合はシティのペースで進んでいった。72分にはロドリ、90+2分にはハーランドが加点。横浜FMも86分に井上がネットを揺すったが、合計8ゴールが生まれた打ち合いはシティが5−3で制した。

 横浜FMも随所に持ち味を発揮し、ピッチでらしさを示したが、シティの攻めにかかった時の迫力と、正確な技術ははさすがの一言。あくまで親善試合ではあるものの、欧州王者の地力を改めて示した一戦になった。

▼出場メンバー
・横浜FM:GK一森純、DF永戸勝也、畠中槙之輔、エドゥアルド(73分:上島拓巳)、松原健、MF渡辺皓太(73分:山根陸)、喜田拓也、マルコス・ジュニオール(46分:榊原彗悟)、FW水沼宏太(73分:ヤン・マテウス)、アンデルソン・ロペス(73分:井上健太)、エウベル(73分:宮市亮)

・マンチェスター・C:GKシュテファン・オルテガ、DFカイル・ウォーカー(46分:ジョアン・カンセロ)、ジョン・ストーンズ(46分:ルーベン・ディアス)、ナタン・アケ(46分:リコ・ルイス)、マヌエル・アカンジ(46分:アイメリク・ラポルト)、MFジェームズ・マカティー(46分:ベルナルド・シウバ→75分:マキシモ・ペッローネ)、カルビン・フィリップス(46分:ロドリ)、マテオ・コヴァチッチ(46分:フィル・フォーデン)、FWコール・パルマー(46分:オスカー・ボブ)、フリアン・アルバレス(46分:アーリング・ハーランド)、ジャック・グリーリッシュ(46分:セルヒオ・ゴメス)