上写真=安部柊斗がベルギーへ。松木玖生から祝福の花束を手渡された(写真◎J.LEAGUE)
「この1年、1年半ぐらいが勝負」
FC東京のアカデミー育ちの安部柊斗は、プロ4年目での出立となった。鹿島アントラーズとのJ1第21節が、J1ではリーグ戦110試合目の出場。サポーターはゴール裏に「オレとオマエと安部柊斗」「日野の誇り安部柊斗」という横断幕を掲げて「出陣」を祝った。
セレモニーでは「フットボーラー安部柊斗」を生み、育ててくれたすべての人に感謝の思いを口にした。まずはクラブに対して。
「アカデミーを含めて約9年半、お世話になりました。このクラブには本当に感謝しかありません」
続けて、プロになって3シーズン半、共に戦ってきた監督へ。
「プロ1年目から試合に起用し続けてくれた長谷川健太監督やアルベル監督、そしてピーター(クラモフスキー)監督、自分を試合にたくさん起用してくれてありがとうございます」
プロになるまでに教えてくれた指導者へ。
「指導してくれた皆さま、熱いご指導をありがとうございました。皆さまのご指導のおかげでここまで来ることができました」
そして、両親へ。
「この場を借りて僕の両親に感謝の言葉を述べたいと思います。お父さん、お母さん、いままでここまで育ててくれて本当にありがとうございます。夢を一緒に追いかけてくれて本当にありがとう。これからも一番のサポーターとして僕を応援し続けてくれたらうれしいと思います」
ミックスゾーンでは、両親へのあいさつで感極まったことを明かしながらも、「でもなんとか乗り切りました」と笑わせた。セレモニーでも「これからもモレンベークの僕のユニフォームを買ってください」とファン・サポーターに呼びかけるなど、その軽妙さが安部の大きな魅力だろう。
「僕はこのクラブで育ててもらったので、恩返しする気持ちを伝えましたけど、なかなか自分のプレーが出せずに、悔しい形でクラブを去るのが非常にふがいない」
最後の試合が「鹿島に1-3の逆転負け」だったから、思いは複雑。でも、挑戦することへの前向きな心は失わない。
「このベルギーへの移籍は自分は初挑戦ですけど、この1年、1年半ぐらいが勝負だと思っています。目に見える結果を出して、さらに上に行けるようにしていきたいので、本当に覚悟を持ってやりたいと思います」
目標は身近にある。
「自分の夢であった海外でプレーするという機会を逃すことができずに、この移籍を決断しました。そして自分のあこがれであり大先輩である、長友佑都選手に少しでも近づけるように、そして追い越せるように、日々、自分を奮い立たせて皆さまに良い報告ができればいいと思っています」
セレモニーを締めくくったのは、「愛してる東京!」の絶叫。ファン・サポーターはそれ以上の「あべしゅー」コールで応えて、力強く送り出した。