スコアは1―1。試合全体を見れば、浦和レッズ、川崎フロンターレともに決め手を欠き、不完全燃焼だったかもしれない(J1第18節/浦和1−1川崎F)。それでも53分の『長い一発』には真っ赤に染まった埼玉スタジアムが大きく揺れた。その主役となったのは、後半から登場した関根貴大だった。

上写真=髙橋利樹に代わって後半から登場した関根貴大が先制ゴールをスコアした(写真◎J .LEAGUE)

ここまでは長かった。毎年、本当に長い

 ゴールまでの距離は約50メートル。ハーフウェーラインを少し越え、場所はセンターサークル内だった。ペナルティーエリアから飛び出してきた川崎FのGK上福元直人がヘディングでクリアし、そのセカンドボールを拾ったときには、すでに関根の頭は整理されていた。

「焦ってダイレクトで蹴り、失敗するパターンはよくあるけど、あのときは冷静でした。GKの位置を確認し、2タッチでボールをしっかり蹴れるところに置きました。シュートもインフロントで巻いて、うまく打てたと思います」

 相手GKの頭上を越え、ゴールに吸い込まれていくまでの時間は、果てしなく長く感じたという。ただ、ゴールの手前でワンバウンドしたときには、得点を確信した。

「埼スタはボールがあまり弾まないので、これは絶対に入ったと思いました」

 10年目を迎えるプロ人生を振り返っても、キャリア最長のロングシュート。試合後、本人はほっとため息をつき、しみじみと話した。

「ここまでは長かった。毎年、本当に長い」

 シーズンの折り返しの時期を迎え、ようやく決めた今季初ゴールである。

「不甲斐ないと思っています。特別にアシストが多いわけでもないですから。見えないところでは、チームを助けるプレーをしているつもりですが、結果として(数字を)残していかないと、このクラブで長くプレーできないことは自分が一番分かっているので」

 1ゴールは始まりに過ぎない。関根は噛み締めるように言う。

「前の選手が全然、点を取れていない。それが現実です。ここから数字を残していけば、認めてもらえると思います」

 リーグ戦では3試合連続ドロー。攻撃陣の得点力不足は、自覚している。チーム最多得点は3ゴールを挙げるFW興梠慎三とCBアレクサンダー・ショルツ。リーグ最少タイの失点数を誇るものの、17試合で21得点はリーグワースト5位タイ。1試合消化が少ないとはいえ、目に見える大きな課題の一つだ。

「もっと積み重ねていかないと。残り試合、どれだけ自分がチームを勝たせられるかどうかが大事になってきます」

首位の横浜F・マリノスとの勝ち点差は9ポイント。積極性が垣間見えたロングシュートからのゴールは、一つのきっかけにしたいところ。浦和の反撃はここから始まる。

取材◎杉園昌之